ロシア連邦編
旅行第1日目
新潟空港
そして、いざ出発当日。東京駅から上越新幹線で新潟に向かう。おなじみの新幹線でも、いつもの国内旅行のときとは違う緊張感がある。なにしろロシア語の単語を5つくらいしか知らないで1人でロシアに行こうとしているのだから。
新潟駅前から空港行きの路線バスに乗り、新潟空港へ向かう。
出発地となる新潟空港に行くのは2度目であるが、前回と違ってターミナルビルが新しくなっていた。ビルの向かって左半分が国内線、右半分が国際線と分けて使用されている。
新潟空港ターミナルビル内
手前が国際線
私が着いたときは、国際線のチェックインカウンターではハバロフスク行きのチェックインが行われていて、結構混みあっていた。
その後、今度は私の乗るイルクーツク行きのチェックインが始まる。一番乗りで行ったのだが、そのあと誰も来ない。出国審査場も、搭乗待合室も閑散としていた。
イルクーツク行き
上から2番目(見にくくてすいません)。
イルクーツク行きの飛行機は、アエロフロートのツポレフ154という飛行機であった。外観はふつうの飛行機であったが、中身はいかにも旧共産圏で作られたような内装で、特にいすの作りが簡素的(平たくいえばちゃち)であった。どういう仕組みなのかわからないが、エンジンをいっぱいにふかす(離陸する)ときに、空調の吹き出し口から燃料のにおいがしてきて不安な飛行機であった。
一応席の指定は受けているが、客が10人しかいないので、客室乗務員(全員ロシア人)曰く、 「No Smokingですか。それならこのへんに適当に座って下さい」という感じで、すなわち自由席に等しかった。
前方にはビジネスクラスのシートがあるのだが、そこには便乗の乗務員が何人も座っていて、正規の乗務員が何人いるのかよくわからなかった。
そもそもこの便は時刻表にのっておらず、また春には運航を一時休止したとかの情報もあり、なんだかよくわからないことが多い謎のフライトである。
イルクーツク行きのツポレフ154
機内にて
客が10人しかいないので定刻夕方5時よりもだいぶ早く離陸。日もまだ高い5時半に早くも機内食が出る。ロシアの飛行機であっても、日本発の機内食は日本製なので、抵抗なく平らげる。
6時半に日没。とは言っても飛行機は太陽に向かって飛んでいるので、そこからなかなか暗くならない。今日は日本全国曇っていて、下の景色が見えないので、機内誌(というよりロシア語のカラー刷りの新聞のようなもの)を読めないのでながめていると、いつの間にか雲がとれ、シベリアの原野が眼下に広がっていて、思わず感動。
イルクーツク着
イルクーツクが近づくと、さすがに暗くなった。着陸態勢に入るころ、イルクーツクの夜景が見えた。日本に比べると本当に暗い夜景である。
ロシアのパイロットは世界の中でもかなり優秀であると聞いていたが、まさにその通りで、今まで乗った飛行機の中で一番スムーズな着陸であった。ただ滑走路がでこぼこでその後ゆれた。
駐機場に停まって、扉が開いてから降りる合図があるまで少し待った。そのあと、歩いてターミナルビルへ。外は9月にしてはむちゃくちゃ寒い(ホテルに着いてから計ったところ4℃)。
売店も広告も何にもない、しかも照明が暗くてガランとしたターミナルビルに入ったところで入国審査。一人一人にものすごく時間をかけ、たった10人しかいないのに、うしろから2番目にいた私の番に回ってくるのにかなり待つ。モスクワとかの大きな空港ではどういう状態なんだろうと思う。
そのあとセキュリティーチェックというビザの検査がある。このカウンターは最初なんだかわからなくて素通りしようとして、係員に注意される。その先に新潟で預けた荷物が無造作に置いてあって、それをとって税関検査。これもあらかじめ書いておいた申請書を見ながら入念にX線装置に通す。
これで手続きは終わり。しかし建物の外に出ると暗いわ誰もいないわで不安になる。向こうの方に「town→」という看板があり、その横の門みたいなところに立っていた守衛みたいな人が手招きしているので行ってみると、その門が空港の出口で、その外に出迎えの人が集まっていた。
ホテルへ
空港の外で、インツーリストの人は簡単に見つかった。その人と車に乗って出発。車内ではその人と片言の英語で話をしたがお互いひどいので意味が半分くらいしか通じなかったようである。暗いナトリウム灯に照らされた町の中を通り、ホテルに着き、その人と別れる。
それからフロントへ行きチェックイン。フロント係の人が朝食のことなど説明してくれるが、ゆっくりとわかりやすい英語なのでこれはよく理解できた。
もう夜11時近いのだが、フロントの両替コーナーは営業していて、ここで持参のドルを50ドル分、ルーブルに両替する。
ちなみにガイドブックに書いてあったとおり、チェックインするとき確認行為のためパスポートとビザをフロントが預かる。チェックには数時間かかるらしく、そのあとであれば言えば返してくれる(翌朝返してもらった)。その際ビザには、確かにそのホテルに宿泊した、という証明のような記入がしてあった。