ロシア連邦編

旅行第5日目 その1

寝台特急の朝

翌日7:15、目がさめる。とりあえず廊下に出ようとしたら、カギがかかっていて、向かいの下段に寝てた人が開け方を教えてくれた。

日本のような専用の洗面台というのがなく、歯を磨いたり顔を洗ったりは、トイレの中の手洗でする。廊下の突き当たりには、旅行記とかで読んだとおり、給湯器がある。

7時半になって、深夜途絶えていた車内放送が再開される。最初案内放送かと思い、よく聞いてみたら地元のラジオ放送であった。

部屋の全員が起きてから、昨夜配られた朝食を食べる。パン、サラミ、ヨーグルト、コーヒーなど結構量が多かった。コーヒーは給湯器があるからばっちりである。

列車は人気のほとんどない原生林の中を走っている。ときどき集落があり、近距離列車用の駅がある。そんな景色をぼーっと眺めているうちに、いつの間にか町の中に入り、徐行したな、と思ったらそれがペテルブルグ到着であった。



ペテルブルグに到着したところ
 

ここにもインツーリストの出迎えが来ていた。その車に乗って出発するが、泊まるホテルまで1㎞くらいしかないので、すぐホテルに着く。チェックイン時間は12時なので、クロークに大きな荷物を預ける。

 

ペテルブルグの地下鉄

とりあえず、さっきあわただしく着いて出発してしまった駅に行こうと思う。このホテルの1階の一角が地下鉄の駅入口なので便利である。

ペテルブルグの地下鉄は、値段的には回数券も含めモスクワと同じ。ただし、1回用はカードでなくコインである。回数券はプラスチック製のカードで、使い回しのような形跡がある。改札口が自動なのはモスクワと同じだが、ここの場合最初は何も表示されていない。コインや回数カードを投入して、よければ青く「←」と表示され、間違えれば赤く「×」と表示され、改札が閉まる。特に回数カードは泊まったホテルのカードキーと似ていて、数回間違えた。また、モスクワと違ってカードの裏に刻印されないので、何回使ったかわからなくなるのが不便である。

ホテルの真下にある駅は、「プローシャチ・アリェクサンドラ・ニェーフスカヴァ」というむちゃくちゃ長い駅名であった。モスクワと同じように速くて長いエスカレーターを下ると、東京の地下鉄南北線のようにホームに扉がある。いろんな線に乗って知るのだが、4つある路線のうち、3号線だけがこのタイプであった。使われている車両はモスクワと同じ2種類、運転間隔の短さもモスクワと同じであったが、モスクワと違って号線ごとのシンボルカラーが案内表示等に使われているのがありがたかった。

駅間距離がやたらと長い、という印象もあった。だから間違えて反対方向の電車に乗っちゃったりすると時間のロスが大きい(体験済み)。

 

パスポートチェックその2

地下鉄に乗り、さっき降り立った駅へ行く。ここでも行き先の地名が駅名になっているので、ペテルブルグにあるのに「モスクワ」駅である。

ペテルブルグでは、駅舎に入る際のチェックはない。駅舎内や駅構内は時間的に比較的閑散としていた。構内を歩き回っていると、警備のお巡りさん(2人組だった)に声を掛けられ、本旅行2回目のパスポートとビザのチェック。

こちらのお巡りさんは結構てきとうである。なんだかんだ言い掛かりをつけてワイロを請求することもあるらしい。このときも財布の中に10ドル札が入っているのを見て、それでハンバーガーを食わせてくれという。断ったら、笑いながらとっとと行ってしまった。

 

ペテルブルグのトロリーバス

駅を出て左方向にのびているのが、ペテルブルグのメインストリート、ネフスキー通りである。

この通りには何系統ものトロリーバスが走っていて、そのうちのひとつに乗る。運賃や支払方法はイルクーツクと同じだった。ただ、切符は質の悪いざら紙に連続した印刷がしてあるものがロール状になっていて、それをちぎって客に渡す。といってもカッターで切るわけでないから形はうまく四角くならない。

イルクーツクでは車掌はほとんどおばちゃんであったが、ここでは若い男性(学生アルバイトか?)からおばあちゃんまで、結構幅広かった。

ネフスキー通りは、さすがにまだ朝なので、通りそのものはまだ本格的にはにぎわっていない。ただし、トロリーバスの車内は混みあい、乗り降りも多かった。

 

宮殿広場とエルミタージュ美術館

ネフスキー通りの突き当たりの少し先に宮殿広場があり、そこでトロリーバスを降りる。宮殿広場は、いかにもヨーロッパ的な重厚な建物に囲まれた広い広場で、真ん中にアレクサンドルの円柱というのが建っている。



アレクサンドルの円柱
後ろにそびえるのがエルミタージュ美術館
 

広場の一角がかの有名なエルミタージュ美術館。はじめ行く気はなかったが、現物を見たとたんにやっぱり内部を見学することにした。入口は広場と反対側のネヴァ川に面したところにある。

さすがに世界的に有名な美術館だけに、館内は世界各国から来た観光客でにぎわっている。日本人も何人か見かけた。かつてロシア帝国の皇帝の住まいだっただけに、内部はものすごく広く、また展示品だけでなく、部屋の装飾そのものもすごい。各部屋には番号が振られているが、ガイドブックを見ながらでないと自分がどこにいるかわからなくなってしまう。とにかく展示品をじっくり見ようと思ったら、何日かかるかわからないくらいのスケールである。ただ構内を歩き回るだけで1時間半もかかってしまった。



美術館内部 どこもこんな感じ

 

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