離島シリーズ
八重山諸島の島々

 

●波照間島(はてるまじま)

石垣島から南西方向に約63km沖にある波照間島。八重山諸島の島々はだいたい石垣島と西表島の間ぐらいにかたまっているが、この島はそれらからすこし離れたところにある。ただし、他の島と同じで竹富町に属している。周囲は約15km。人口は600人くらい。
そして有人での日本最南端の島である。

この島には、石垣空港からBN−2Bという9人乗りの飛行機が1日1〜2便。私が初めて訪れたときにはDHC−6型という19人乗りの飛行機が同じく1日1〜2便であった。あと、複数の会社の高速船(合計1日6便)とフェリー(週3便)がある。
便数が一番多いのが高速船なので、これが一番需要が高いと思われる。ただし先に述べた島の位置関係により、船便はよく揺れる(少なくとも私が乗ったときはそうだった)。

私はこの島を2回訪れているが、たまたま2回とも往路は飛行機で復路は高速船だった。

ということで石垣〜波照間の飛行機路線に2回乗ったことがあるわけだが、たしかその2回目には測量をしに行くと思われる作業着姿の竹富町役場の人が乗っていた。町役場の人が自分たちの現場に飛行機で行くなんて、考えてみればすごい話である。
それにしても9人乗りが1日1〜2便。採算もなにもないような気がするんですけど…。



波照間空港。
沖縄の離島空港はこんな感じのところが多いです。


なお、島には公共の交通がないので飛行機で空港に着いても、船で港に着いても、そこから集落まではヒッチハイク状態。でもみんないい人たちだからお願いして断られたことはない。


波照間島は大ざっぱに言って東西方向に長い楕円形をしている。島の周りには外周道路のような1周道路が走り(ただし海沿いではなくやや内陸を通っている)、集落は主に島の中心部にある。私が初めて訪れたときには集落の中には食堂が1件と数件の商店があるだけであったが、最近は素朴なみやげ屋や飲食店もできてきた。



集落の内部。だいたいこんな感じ。
 



駐在所。
見えにくいですが島の位置(一番下)が赤くなっていて、
「一番南」というのを強調しています。


公共の乗り物がない代わりに、自転車を貸してくれる店がある。また、自転車を置いてある宿もあり、大きさ的に島をまわるのはこれで十分と思われる。

おおよそ外周道路の内側はサトウキビ畑で、外側は雑木林になっている。
島の北側から東側にかけては、ニシ浜からペー浜と続く典型的な「沖縄のビーチ」があるが、それ以外の海岸線はほとんど岩ゴツゴツ状態である。
ニシ浜の近くに船の発着する波照間港がある。



手前が砂浜。
その向こう側が島の海岸線の大部分を占めている岩ゴツゴツのところ。


そして、この島の南側の海岸線(ここも岩ゴツゴツ)に「日本最南端の碑」がある。初めてそこに行ったのはもう15年も前の話で、碑があるだけで周りは整備されていなかった。2回目に行ったときは、碑はそのままだったが周りは多少整備され、近くに天文台もできていた。現在はその碑も新しくなった模様である。
いずれにしても、日本の東西南北端の中で一番知名度の低い場所だと思う。



日本最南端の碑とそのうしろの海。
ちなみに現在は碑が新しくなっています。


その碑の近くにある町立の天文台、正式には「波照間島星空観測タワー」。南十字星が観測できる日本でも数少ない場所である。
今もたぶん変わっていないと思うが管理人(館長さん)が一人だけいて、行くとその人が案内してくれる。最初は事務的な対応であったが、説明に対する私の反応を見て「あなた理系じゃないですか?」と質問してきて、そうと知るやだんだん話がわき道にそれ、結局星の話は3割くらいで残る7割はあまり関係のない雑学的な話をし、30分コースのはずが2時間ぐらいいた。この館長さん、結構名物館長さんらしい。


前述のようにこの島への船便は長いこと外洋を進むのでけっこう揺れる。高速船はフェリーに比べれば小さいので荒れる海にかなり翻弄され、特に2回目のときは石垣島に着いてから飛行機で与那国島に行く予定が、定刻の1.5倍も時間が掛かってしまったため乗り遅れてしまった。ある意味無謀な行程であったが、これも島旅の醍醐味かな、と勝手に思っている。

 

波照間港に泊まっている石垣島行きの高速船。
こいつに乗って、波に揺られていきます。

 

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