離島シリーズ
宮古諸島の島々

 

宮古島は折に触れて何回か訪れているのに対し、それ以外の宮古諸島の島々を巡ったのは平成9年の2月。

旅の起点はやはり宮古島ということで、羽田を早朝に出る宮古島行きの直行便に乗った。
それにしても飛行機というのはすごい乗り物である。朝東京近郊の自宅を出発して、もう10時台には沖縄のしかも離島に着いているのである。

宮古空港で車を借りると、市内にある港に向かった。
初めてここを訪れたときには大通りの突き当たりに切符売場と待合室を兼ねたローカル色豊かな小さい建物しかなかった。しかも那覇や石垣島に行くフェリーについてはここではなく、港近くの船会社で切符を買い、発着する岸壁(少し離れていた)には待合室というものは存在しなかった。
しかし、今回訪れたときはそれらから少し離れたところにホテルと多目的ホールが一緒になった「まりんぴあ宮古島」という立派な建物ができていた。
ここから宮古諸島の各離島に行く船が出ているのである。



まりんぴあ宮古島。
ここで切符を買い、近くの乗船場から船に乗ります。

 

●伊良部島(いらぶじま)・下地島(しもじじま)

宮古島から約5km西側に浮かぶ伊良部島。それと数メートルだけ(!)離れている下地島。両島あわせて伊良部町という町になっている。
伊良部町の人口は7000人弱であるが、そのほとんどが伊良部島に住んでいて、下地島の人口は100人にも満たない。



佐良浜港にあった町の案内図。
伊良部島と下地島(左下)がほとんどくっついている様子がわかります。
 

伊良部島の佐良浜港に平良港から「宮古フェリー」と「はやて海運」という2社の高速船があわせて1時間に2往復程度出ている。またカーフェリーもあわせて1日15往復。
あとで述べるが、下地島には空港があり、かつてこの空港に那覇空港から定期便が飛んでいたこともあった。

私が行ったときは、高速船の便数は今の倍近くあり、カーフェリーは逆に8便しかなかった。車で渡ろうとしているのでカーフェリーに乗ろうと思うのだが、次の出航は2社とも14:00であり、少し時間がありすぎるので、市内を散歩。昼食も市内で食べる。

「まりんぴあ宮古島」内の切符売場で乗船手続きし、船がとまっているところへ行く。手前に「宮古フェリー」、その奥に「はやて海運」のカーフェリーが並んでとまっていた。私は帰りの便のことを考えて「はやて海運」の船に乗る。車やトラックが10台、人間も10人であった(つまり全員運転者)。


平良港を出港して約30分で伊良部島の佐良浜港の入口に近いところに着岸。港の一番奥には「伊良部町離島振興総合センター」という5階建ての建物があり、高速船はその前までやってくる。タクシーやバスの乗り場もここにある。



佐良浜の集落。港は右下方向にあります。
 

ここから島を時計回りに1周してみた。このあたりの標識はわかりにくく、それでも何とか1周道路に出る。このあたりはずっと対岸に宮古島が見える。途中長山港というところでT字路を右折した以外はずっと1本道で家もなく、サトウキビ畑が多い。
5分の2周ぐらいしたところに今日泊まる民宿のある伊良部という集落がある。このあたりが島の比較的中心的な場所で、道沿いにいくつも集落があり、町役場もこのあたりにある。しばらくするとまた海沿いの家のない1本道になる。島の北端の白鳥崎を通って、さっきの佐良浜に戻ってくる。

佐良浜から、さっきの1周道路からがけの上に見えた牧山展望台へ行く。目の前には宮古島を一望できる。また、島で一番高いところなので、島内もある程度一望できた。



牧山展望台。正面に宮古島が見えます。
 

伊良部島は比較的平坦な島なので、1周道路のほかに佐良浜から町役場のある島の反対側に突っ切る道もある(これが島のメインルート)。その道を通って宿に向かった。

あっちこっち寄り道していたので、宿に着いたのは6時近かった。まだ夕食まで時間があるので、しばらく宿の周辺を散歩した。宿の目の前には「ダキフ・ガー」という名前のバス停があり、「何じゃこの名前は」と思ったが、「ガー」とは井戸のことで、道を挟んだところにそういう名前の井戸跡があった。



宿の窓から見た景色。
典型的な沖縄離島の集落、という雰囲気です。

 

翌日、下地島に行った。
と言っても、伊良部島と下地島は数メートルしか離れてなく、両島の間は見た感じ太めの川のようである。そこにはいくつもの短い橋が架かっていて、渡るともう下地島である。



両島の境目。右側が伊良部島左側が下地島
ほとんど川のようですね。
 

下地島には、日本で唯一のパイロット育成用の空港である下地島空港がある。島の面積の半分近くがこの空港の敷地になっていて、人口がほとんどないのもこのためである。
現地に行ってみると、かつてここに那覇からの定期便が飛んでいた名残か、トランスオーシャン航空のプレハブのような建物があり、あとは航空局の建物が2つ、その奥には日本航空と全日空の宿舎があった。展望デッキに行ってみると、日本航空とエアーニッポンの飛行機が停まっていた。



下地島空港。
 



滑走路に停まっていたJALの飛行機。
 

滑走路の北側は海に突き出ているので、そっちの方に行ってみる。空港の外周は細い道が続いていて一般車も通れるので、一番突端まで行き、きれいな色の海に続いている誘導路を眺めながらしばらくぼーっとしていた。飛行機が飛ぶか期待していたが、このときは飛ぶ気配はなかった。



滑走路北側の誘導路。
海の色がとてもきれいです。ぼーっとするには最高の景色。
 

この外周道路がそのまま島の外周道路になっていて、その道沿いに近い「通り池」というところに立ち寄る。海に近いところに崖に囲まれた2つの丸い池がある。この2つの池は水中で海とつながっていてダイビングスポットになっているようだ。

他にも見所はあったようだが、てれんこてれんこ外周道路を走っていたら島を1周してしまったので、再び伊良部島に戻り、佐和田という集落の近くにある佐和田の浜へ行く。ここも海のきれいな砂浜であったが、さっきの空港の北側が見え、私がいた時間だけでもエアーニッポンの飛行機が2回ほど離陸したり着陸したり、訓練飛行していた。



佐和田の浜。何の変哲もない砂浜ですが、
少し違うのはすぐ向こうにある滑走路。


お昼近くなり、最初に降り立った佐良浜港の近くにあるメシ屋に入った。マグロ丼を頼んだら500円だった。ちなみにカツ丼も500円。このように本土より物価が安いという点でも沖縄というところを実感できるものである。

 

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