離島シリーズ
八重山諸島の島々

 

●西表島(いりおもてじま)

沖縄の島々の中で、沖縄本島に次いで2番目に大きい(つまり石垣島より大きい)西表島。
にもかかわらず、人口は2千人程度。いかに手つかずの自然がたくさん残っているかが分かる。イリオモテヤマネコをはじめ、貴重な生物や植物が生息していることでも有名である。

島の周遊道路は、全体の半分くらいしか通じていない。西表島内の主要道路はこの1本だけで、裏道のようなものはない。道路が通じてなくて、船でないと行き来できない集落もある。


西表島には、島の南東側にある大原というところと、北側にある船浦もしくは上原というところに、それぞれ石垣港から高速船が数多く出ている。

私が行ったときは、大原行きの高速船に乗った。
朝の8時半〜9時の間は石垣港から八重山の各島に行く高速船の出航が特に集中している。私もこの時間帯の船に乗ったのだが、同時に5隻くらいの船が出発し、我先へと港の外へ出ていく。それぞれ行き先が違うので途中で別れていくのだが、そこまでは各船がデッドヒートを繰り広げ、結構楽しかった。



石垣港を出港した船同士のデットヒート
こんな光景が毎日繰り広げられているんですね 


40分弱で大原港に入港。港近くの民宿に宿を取ることにし、荷物を預けたあと、近くのバスターミナルへ行く。ここに大原地区の交通に関するすべてがまとまっていて、レンタカーを借りることにする。

大原から、一本道の島内道路を行く。道はくねくねしているが、車通りがほとんどないので軽快なドライブである。

島をほぼ半周し、船浦も通り過ぎて浦内川のボート乗り場に着く。
この浦内川はかなり内陸まで「川」というより「入江」のようになっていて(このためボートで進めるのだが)、海の汐の関係で海水が入ってくる時間帯がある。こういう条件のところによく生えているのがマングローブという植物で、川の両側にその群落がつづき、まるでジャングルである。



川というより入江ですよ、これは。


30分ほどで軍艦岩という入江の終点に着き、ここからは川に沿った山道みたいなところを歩くことになる。と言ったって周りに鬱そうと茂っている木は内地とは違う亜熱帯の植物である。
軍艦岩から30分ほど歩くとマリュドゥの滝に着く。そしてさらに行くとカンビレーの滝。マリュドゥの滝は普通の滝であったがカンビレーの滝はどちらかというとゆるめの岩の斜面といった感じで、ここで弁当を広げている人もいた。



マリュドゥの滝。
ちょっと望遠で撮ってますけど


ボート乗り場に戻り、一周道路をさらに先にすすみ、しばらく行くと白浜という集落に着く。一周道路はここまで。この先さらに舟浮という集落があるのだが、そこへ行くには船に乗らなければならない。今は逆にこれを売りにしているようである。私はここで折り返してしまったが、今思えば行けばよかった。

一周道路を元に戻る。大原まであと少し、というところに美原という集落がある。ここの沖にあるのが由布島。島と言っても浅瀬でつながっていて、そこを水牛に引かれて行くのが有名な場所である。
ちなみに由布島にも人が住んでいる。と言っても島を管理している人が15人ほどですが。

本来であれば、ここから島に電話して水牛車に来てもらうらしい。ところが、私の場合は‥。
私が着いたときたまたま団体さんが島にいたようで、観光バスが停まっていた。その運ちゃんが、たまたまそこに1台あった水牛車を引っ張ってきて「これに乗んなさい」という。私が乗り込むと運ちゃんは「行け!」と牛に言い、のっそり歩き出した。それにしても、それが本来の仕事でなく、かつ自分のお客さんでもない人にこんなことをしてくれるとは、のんびりしたところである。



これから海を渡ろうとしているところ。
とにかくのんびりと時間が過ぎていきます


水牛車は海を渡り、島の中に入って中心部にある水牛車乗り場に10分ほどで着いた。その近くのレストラン兼みやげ店で入島料と水牛車代を払う(飲み物付き)。
飲み物を飲んだ後、島の中を歩いてみた。島全体に亜熱帯の木が植えてあり、またいろんな動物が飼われていて、正式名称「由布島亜熱帯自然植物楽園」そのままであった。



由布島の内部。
こういう景色のところが多いです。


大原の民宿に1泊した翌日、仲間川の遊覧をしてみる。昨日レンタカーを借りた交通ターミナルが仲間川遊覧の切符売り場も兼ねている。乗り場はターミナルの裏の方を2〜3分下ったところにある。
この仲間川も浦内川と同様に入り江がかなり奥深くまで入り込んでいる感じで幅が広い。30分ほど進むと桟橋があり、そこから50mくらい歩くとサキシマオウスギというのがある。



マングローブの林。
根っこの部分に特徴がありますね。
 



サキシマオウスギ。これが日本最大らしい。
根っこが板状になっています。


と、駆け足で一回り(というか物理的に半周というか)しただけで1日半掛かった。いかに大きな島であるかということである。

 

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