離島シリーズ
鹿児島周辺の島々

 

まず向かったのは、意外と地味な存在の甑島(こしきじま)諸島。上、中、下の主に3つの島からなっていて、このうち上甑島と中甑島は橋でつながっている
私が訪れた当時はこれら3つの島に4つの村があったが、現在は対岸の川内市と合併して
薩摩川内市となった。
これらの島々には、対岸の串木野というところから高速船とカーフェリーが出ている。つまり現在の市の中心地から島に渡るのに、となりの串木野市を経由しないとならないわけである(その串木野市も現在「いちき串木野市」になっている…)。

平成10年2月某日、会社で定時まで仕事していた私は、会社からそのまま東京駅に直行。博多行き最終の「のぞみ号」に乗った。
私の乗った車両は新横浜で満席になったが、新大阪を過ぎると急激にすいていき、広島でとうとう私1人になった。そこで、明日の朝も早いことだし3列席に横になって寝ていた。「世界の」のぞみ号をバカにしているようで愉快であった。
終点博多に着くと、「ドリームつばめ号」に乗り換える。博多を出発し、久留米を過ぎると車内放送もなくなり就寝。

翌朝5:36、串木野着。この時期の南九州なので当然夜明け前なのだが、串木野から乗る船の出航まで時間が有り余っているので、市内を歩き回った。けっこう爽快な早朝の散歩であった。

九州新幹線のできてしまった現在は、この「ドリームつばめ号」が存在しないので、こんなことはできない。どんどん不便な世の中になっているものである。

 

●上甑島(かみこしきじま)、中甑島(なかこしきじま)

7時過ぎ、タクシーに乗って串木野新港フェリーターミナルに向かう。
7時半頃から乗船券の発売が始まり、そのころからフェリーターミナルに続々と客がやって来る。意外と仕事関係の人が多い。



串木野新港のフェリーターミナル
 

串木野から甑島にはカーフェリーと高速船の2隻の船が就航していて、これから乗るのは高速船のシーホークである。このシーホークは高速船にしては大きな船で、船内は指定席、自由席、イス席、マス席、ソファー席とすべてある。

8:15、出航。やはり昨晩あまり寝てないせいかこの船内ではほとんど爆睡していた。9:05、上甑島の里港に着く。

 

串木野から38km沖にある上甑島。当時は本土寄りの東側半分が里村、西側半分及び橋でつながっている中甑島が上甑村となっていた。

旧里村の中心地・里に1軒だけレンタカー会社の営業所がある。港から電話すると迎えに来てくれて、その営業所(実は地元の土建会社の事務所)で手続きし、出発。今日はこの車で島を廻ってみる。

この島は両村の中心地、里(旧里村)と中甑(旧上甑村)の間が幹線通りとなっている。

まずは島内の真ん中を突っ切っている幹線通りではなく、島を1周している道路を走ってみた。このうち東側はかなりくねくねしている林道で、地図で見るより時間がかかる。
一方西側の方は、途中長目の浜という天橋立をビローンと長くしたような地形の場所があり、それを上から眺める景色のよいところがある。それから先も海の見える景色のよい道である。ただし、西側3分の1ぐらいは地形が険しくて1本道の林道(それもデコボコ道)しかなく、そこを強引に進んでみたが何もないところで終わっていた。



長目の浜です。
 

昼食後、中甑から延びている橋を渡って中甑島に向かう。島内で一番しっかりしている2車線道路で、まずは2つの島の間にある中島という小さな島に渡る吊り橋(甑大明神橋)が見えてくる。手前にはその展望台を兼ねたその橋についての展示コーナーもある。さらにその先にはその中島から中甑島に渡るアーチ型の橋がある。



そのアーチ橋。中甑島側より
 

そしてさらに進むと平良という集落があって、道は終わり。まだ島の4分の1くらいしか来ていないが、そこから先は道がないのである。しばらく漁港みたいなところをブラブラしたり、1日1往復のカーフェリーがやってくるフェリーターミナルへ行って、やって来たフェリーの出入りを眺めていた(その時間に合わせて行ったわけだけど)。



平良の集落。向かいに見えるのは上甑島。
 

レンタカーの営業所のある里に戻ってくるが、まだ時間があるので、里港に入港するときにまず目に入った山の上にあるでかい風車(というか風力発電所)に行く。発電所そのものは無人であったが、入口のところに説明のテープが流れる箱があり、ボタンを押してみると大音量で説明してくれる。
さらにその通り道となっていた武家屋敷跡を少し散策。



里集落の中にある武家屋敷跡
 

夕方、営業所にレンタカーを返しに行った。今日は営業所のある里ではなく、中甑に泊まる予定になっていて、路線バスに乗って向かう。上甑島内のバスは中甑を中心に島内あちこち走っていて、里にも1日5往復やって来る。その最終便に乗ったのだが、その時刻は現在もあまり変わっていないようだ。


翌日は中甑港から高速船に乗って下甑島に向かうのだが、それまでの間中甑の集落内を散策した。初めて来るところなのにすれ違う人がみんなあいさつするで、気持ちがよいのであった。

 

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