離島シリーズ
八重山諸島の島々

 

●竹富島(たけとみじま)

石垣島の約5.5km沖にある、周囲9.2km、人口300人くらいの竹富島。周辺の島々といっしょに竹富町に属している。
石垣島から高速船が30分おきに行き来していて、所要時間も10分強である。


集落内は景観を保全する地域(正式には「重要伝統的建造物群保存地区」)になっているようで、絵に描いたような沖縄の集落、という感じである。
特に集落の中にある「なごみの塔」という塔に登って見る景色は、何回見てもいいし、ずっと見ていても飽きない。

  

「なごみの塔」から見た集落内の景色。
日本国内で私の一番好きな景色です。


これは、という観光地があるわけでもないが、その素朴な雰囲気が一発で気に入ってしまい、初めて訪れて以来、通算すると最低でも10泊以上はしているはずである。


この島では島の中を水牛が引く車に乗ってまわる観光コースが有名で、石垣島に近いこともあって、毎日大勢の観光客がやってくる。
石垣島からの高速船の運航頻度が多いのもこの観光客対応で、運悪く団体とかち合うと大混雑してしまう。

港に着くと、これらの観光客を集落内の水牛車乗り場まで連れて行くマイクロバスがたくさん停まっている。その中に、個人客を集落内まで送り届ける有償マイクロバスもある。私もこれを利用したことがあるが、歩いても15分くらいなので、歩くことの方が多い。
ちなみにこの有償マイクロバス、集落内から港に行くときも電話すれば船の時間にあわせて来てくれる。ただし、あまり早く電話すると忘れられてしまうことがあるので注意(沖縄らしいなあ)。

初めて島を訪れたとき、私もこの水牛車に乗ってみた。廻るコースは決まっているので、水牛さんは完全に道を覚えていて、御者さん(水牛を操る人)は観光案内をしたり、三線(さんしん。沖縄独特の、三味線のような楽器)を弾きながら歌を歌ったりすることに専念していた。



私も最初は水牛車に乗りました。
集落内はだいたいこんな感じです。


ということで、この水牛が廻るところだけは昼間にぎやかだが、そこを一歩離れると静かな島である。
ここ数年になって、港から集落内までの道はきれいに整備されたが、それ以外の島内の道はサンゴが砕けたような白い砂か、簡易舗装の道である。自転車が置いてある宿やレンタサイクルなどもあり、島の大きさ的にもそれで十分1周できる。歩いても大丈夫だと思う。



海辺に向かう道。
これぞ沖縄の風景という感じ


島の周りの多くは白い砂浜。有孔虫という生物の死骸の骨格部分が多く含まれていて、それが星のような形をしているので、別名「星砂ビーチ」とも呼ばれている。波と風の音だけする静かな砂浜で、こういうところで脳みそがとろけるまでぼーっとするのは最高の贅沢である。



ホントに静かなビーチ。
こんなところでぼーっとできるのは最高の贅沢。


水牛車乗り場の近くにはビジターセンターや蒐集館(島の生活を展示している資料館)などがある。また、車エビの養殖場があり、島内にある沖縄そば屋さんでそのエビ入った沖縄ソバを食べられる。

  

先にも述べたように集落内は景観を保全する地域になっています。
島内にある建物はすべからくこんな感じです。
左;変電所。右;郵便局。

 
水牛車目当てに訪れる観光客は多いが、しかしその大多数が日帰りの客で、最終便の船が行ってしまう夕方になると、島内は本当に静かになってしまう。この島の最大の魅力はそれ以降の時間帯だと思っている。

 

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