アメリカ合衆国東部中部編

旅行第3日目 その3

ニューヨークの地下鉄

到着したペン・ステーションがあるのは、マンハッタンの34丁目というところで、地下鉄のA,C,E番と1,2,3,9番のそれぞれ 34 St.駅に地下道でつながっている。ニューヨークの地下鉄の駅は通り名がそのまま駅名というのがほとんどなので、ある意味わかりやすい。

が予約しているホテルは、1,2,3,9番の沿線にあるので、そちらの駅へ行く。改札口の近くにコンテナくらいの大きさの駅員がいるボックスがあり、ここでメトロカードを買う。メトロカードにはプリペイドタイプ、回数券タイプ、乗り放題タイプの3種類があるが、デザイン的には1種類しかない。カードの磁気部分に書き込まれる情報によって、1つのカードがどんなタイプのものにもなるのである。一番お得な乗り放題タイプには1日間、7日間、30日間用の3種類しかなく、私は足かけ4日間しか滞在しないが7日間用を買う。それだって12回乗れば元が取れる計算である。ちなみに、1回だけ乗れるトークンというコインもある。

改札はすべて自動改札。ニューヨーク地下鉄の自動改札の場合、カード類は投入するのでなく、クレジットカードのように磁気部分をスライドさせる。スライドさせる溝は歩く方向と平行にあるので、慣れてしまえば歩くスピードをまったく落とさずにスムーズに改札を通過できる。

改札を入り、ホームに降りる。古くて、ごみごみしている。マンハッタン内ではほとんどの路線が複々線で、内側の2線が急行用、外側の2線が鈍行用として使われていて、急行停車駅では島式ホーム2面、そうではない駅は相対式ホームと形が統一されている。ちなみに最初に乗った路線では1,2,3,9という4つの路線が同じ線路上を走っているのだが、このうち2番と3番が急行、1番と9番が鈍行である。このようにマンハッタンではたいがい1つの線路上に複数の路線が走っていて、路線ごとに急行か鈍行かが決まっている。そして郊外に出るとそれぞれの路線に分かれていく。



ニューヨーク地下鉄駅構内
 

時刻表というものはない。運ちゃんの独断で、てきとうに走っているようにしか思えない。だから運転間隔はバラバラである。最初に乗ったのは2番の急行だったが、前との間隔があいていたのか、ものすごく混んでいた。しかも工事区間があるらしく途中から鈍行になった。ただし、どんなにボロい車両でも、冷房率100%なので、暑くてしょうがないということはない。そのかわりホームには空調がないので、駅によってはこの時期でも暑かった。

治安の悪さの代名詞のようなニューヨーク地下鉄であるが、周りにそれなりに客がいる限りは特にそんな感じはない。よく聞くような車内の落書きもない。ただし、ガラスの部分は傷だらけ。また、後で経験するが、夜間の人影の少ない地下鉄はまさに身の危険を感じる不気味さであった。

 

ニューヨークのホテル

34 St.駅から約15分くらいでホテルの最寄り駅 96 St.駅に着く。もともとこの駅は急行の停車駅である。位置的にはブロードウェイの94丁目と96丁目の間の地下に駅がある。ホテルはブロードウェイに面した94丁目にあるので、駅の2つある出口のちょうど中間に当たり、駅から地上に出た瞬間にホテルが見えた。

マンハッタンの一番中心地と思われるタイムズ・スクエアがだいたい45~46丁目くらいなので、96丁目というとかなりマンハッタンの北寄りの方である。地図でいうと上の方で、セントラルパークより東側なので、「アッパー・イースト」と呼ばれている地区である。

ここまで来ると、マンハッタンの摩天楼からは抜け出して、4~5階くらいのビルやアパートが多い。でも街としては結構にぎわっている。食べ物にも困らなさそうである。

ニューヨークのホテル事情は常に満員といった状況らしく、ご多分に漏れず予約するのが遅かったせいで、ホテルを確保できただけありがたいという感じである。その泊まった「ニュートン・ホテル」は結構こぢんまりとしたホテルで、逆に細かいところまで目の届きそうな雰囲気であった。ただしシングルルームは狭くて、荷物を広げるのが一苦労。でも考えてみれば、普段国内旅行するときはいつもこんなホテルに泊まっているので、なんとなく私の性に合ってそうな宿であった。

 

3日目その4へ   目次に戻る