アメリカ合衆国東部中部編

旅行第6日目 その3

ループ地区その1

シカゴの中心部は「ループ」と呼ばれる地区で、ここがどちらかというとオフィス街なのに対して、シカゴ川を挟んで北側が「リバー・ノース」と呼ばれる主にショッピング街である。

泊まったホテルは、このシカゴ川のループ地区側の岸に面している。部屋が31階だったので、部屋の窓からはトウモロコシのような形をしたマリーナ・シティ、地元紙シカゴ・サン・タイムスやカブスの親会社リグレー社の本社ビルなどが一望できる。それにしてもものすごく広い部屋で、今朝まで泊まってたニューヨークのホテルの部屋の10倍は広さがあると思われる。

今日は市街地の南側にあるホワイトソックスの本拠地コミスキー・パークに行く予定であるが、その前に少しループ地区の中を見ることにした。

地区の名前「ループ」の語源は簡単で、この地区の中をループ状に高架電車が走っているからである。シカゴ市交通局(CTA)の路線のうち、市内に乗り入れてくる路線は6つあるが、そのうち4つの路線がループに乗り入れ、残る2つの路線は地下鉄となっている。ただし、シカゴでは高架電車と地下鉄の区別があいまいで、例えば高架電車のブラウン、パープル両ラインと、地下鉄のレッドラインは、市の北側で合流して同一線路上を走ったりする。使われている車両も同じである。



ループ電車
 

で、とりあえずこの「ループ」を1周してみることにした。ループの下はふつうの道路で、そこに古い鉄骨の高架鉄道が覆いかぶさっている。そしてホームは木製、枕木も木製。地図で見ると碁盤の目のようになった街の中を真四角に通っているため、その4つの角の部分はものすごいカーブである。

その車窓からシカゴの街を眺めていたが、ループ地区は高いビルが建ち並び、景色はあまりよく見えなかった。あしたゆっくり歩こうと思う。

ループをまるまる1周する電車はないので、1周するにはどこかで乗り換えることになる。最初乗ったのはブラウンラインであった。今日はこれから行くコミスキー・パークの他に、明日行くカブスの本拠地リグレー・フィールドでもナイトゲームがあり、ブラウンラインはその近くまで行くため、途中からカブスのファンがたくさん乗り込んできた。

 

コミスキー・パーク

ループを1周したあと、シカゴに来た目的のひとつであるコミスキー・パークへ向かう。

地下鉄レッドラインの Lake駅から南方面行きに乗る。この Lake駅はループ地区の一番北の駅で、そこから3つめの駅まではループ地区内にあるのだが、Lake駅を含めたこれら4つの駅はホームが連続していた。おもしろいというか、ムダというか、妙な構造である。

5つめの駅を出発すると、地上に出る。そこからけっこう駅間距離が長くなり、2つめの駅がコミスキー・パークの最寄り駅、Sox-35th駅である。ホワイトソックスは地元では「Sox」と呼ばれていて、そのニックネームが駅名になってしまっている。

駅はハイウェイの上下線に挟まれた中州のようなところにあり、ホームからコミスキー・パークが見える。改札を出て歩いていくと、球場の3塁側スタンドの裏に着く。さらに歩いていくと、球場正面である。できてまだ10年くらいしか経っていないので、外観も中身も非常にきれいである。ちなみにこの球場ができる前は、すぐとなりに旧コミスキー・パークがあったそうで、現在そこは広大な駐車場になっている。そもそも球場周辺は駐車場以外のものが見あたらなかった。

  試合中の詳細は、観戦記参照。

 

 

深夜のループ地区

今日は比較的淡々と試合が進み、21時30分頃に試合が終わった。15分くらい場内に居座って、それから球場をあとにした。

帰りの電車は、多少混みあっていた程度であった。15分くらいでホテルの最寄り駅である Lake駅に着く。

最寄り駅とは言ってもそこから多少歩く。夜10時を過ぎ、オフィス街であるループ地区は人もまばら。途中、本当にまわりに誰もいなくなってしまい、「これはまずい」と思わず早足になった。シカゴのような大都市の深夜の人影のないビル街は本当に不気味な雰囲気である。

車通りがそれなりにある(でも相変わらず人通りはまばら)通りに出て多少やれやれといったところに、24時間営業のスーパーがあったので、ミネラルウォーターを買いに中に入った。広い店内には店員が1人だけ。こんなところでこんな時間に1人で店番していて大丈夫なのかな、と余計な心配をしてしまう。

 

7日目その1へ   目次に戻る