アメリカ合衆国東部中部編

旅行第7日目 その1

シアーズ・タワー

7日目。今日もいい天気。特に今日はアメリカに上陸した後いちばんいい天気。

7時半過ぎ、ホテルを出て散歩に出かける。ぼちぼちオフィス街のループ地区に通勤する人たちがやってくる時間帯で、街もにぎやかになりつつある。そういう人たちを相手にしたファーストフードの店も数多く開店していて、今日もそういう店のひとつに入り、セットメニューを頼んだ。しかしどうしてこういう店で出てくるコーヒーはスモールサイズでも特大なのだろう。全部飲むのが大変。

メジャーリーグを観戦に来た今回の旅行も、今日が最後の観戦で、その試合はデーゲームである。昼には球場に向かわなければならないのだが、それまでループ地区の中を散策しようと思っている。

8:40、ホテルを出発。ループ電車に乗り、半周くらいした Rookery駅で降りる。そこから歩いてまずはシアーズ・タワーに向かう。110階建ての、世界で2番目に高いビルである。

とりあえず中に入る。ところが、どこから展望台へ登るのかがわからない。しばらくウロウロしてそれでもわからないので一度外に出たら、「Skydeck」と書かれた入口が別にあった。

まだ今日の営業を始めたばかり(9時過ぎ)だったので、チケット売場も閑散としていた。チケットを買って、要所要所に立っている案内係の誘導に従って通路を進むと、ちょっとした待合室のようなところに着く。この先がスライド室になっていて、まずはここで概要説明があるらしい。すでに朝いちのスライド上映は始まっていたので、外で待っていると、あとから来た2人連れが「スライドはいいから上に登りたい」と係員に言いだしたので、私もそれにくっついて行き、エレベーターで 103階の展望階に登る。

高いビルの建ち並ぶループ地区でも、このビルは特に高いので、展望階からは360°見渡すことができる。4つの面にはそれぞれディスプレイ方式の案内モニターがあり、何カ国語か選択できる中に日本語による案内もあったので、それを見ながら景色を眺めていた。またここには窓ガラスのないベランダのような一角があった。行ってみるとさすがに風が強くて寒かった。



シアーズ・タワーからの眺め

 

シカゴ先物取引所

シアーズ・タワーを出て、ジャクソン通りを東方向に歩く。東と言ったってそれは地図上でわかる話で、高いビルが建ち並び通りまで日が差し込んでこないので、実際には方向感覚はよくわからない。 この通りを3ブロックほど歩くと、右側にシカゴ先物取引所がある。周りのビル群の中でもひときわ重厚な建物である。実際に取引しているトレーディング・ルームが見学できるというので、中に入ろうとするが、ビルが2つに分かれていてどちらなのかわからないし、そんな案内もない。ガイドブックによれば見学者用のビジター・センターは5階らしく、とりあえず片方のビルのエレベーターで5階に上がってみたら、偶然そこがビジター・センターであった。

そこはガラス張りになっていて、4階にあるトレーディング・ルームを上から見下ろす形となる。そこから見る光景は、アメリカ経済のニュースとかでよく登場する、まさにそのままの光景であった。多くの人たち(トレーダー)が入り乱れ活発に取引が行われている。防音ガラスなので5階は静かなのだが、ガラスに近づいてみると、4階の喧噪がかすかに聞こえてくる。どうやらトレーディング・ルームはかなり騒がしいようであった。



こういう光景です。

 

ループ地区その2

そこからはひたすらループ地区の中を散歩した。あっちこっちにかなり寄り道しながら、だんだん北側の方向に向かっていった。

歩いているとときどき斬新なデザインの彫刻に出くわす。デイリー・プラザという大きなビルの前庭では、青空市場が開かれていた。その斜め後ろの位置にあるJ・R・トンプソン・センターは、ガラス張りの変わった形の建物で、中に入ってみると巨大な吹き抜け空間になっている。シカゴにはこういう見るだけで価値のある建築物が多く、こういうのを巡るツアーなどもあるようである。



デイリー・プラザ前の青空市場
 

最後に地区の東側一帯にあるグラント・パークという公園に行く。この広大な公園はミシガン湖に面しており、ヨットハーバーもある。一見海のようにも見える。公園の中心にあるバッキンガム噴水で記念写真を撮って、地区の中心部に戻った。

 

リグレー・フィールド

そろそろお昼近くなり、シカゴ・カブスの本拠地であるリグレー・フィールドへ向かう。

リグレー・フィールドは市街地の北側にあり、電車での行き方は2通りある。ひとつは地下鉄のレッドラインに乗る。もうひとつはループ(高架鉄道)を走るブラウンラインに乗り、途中でレッドラインに乗り換える。前者は乗り換えなしだが、途中まで地下なので景色が見えない。その点ブラウンラインはずーっと高架なので、後者の方法で行くことにした。

最後にいたグラント・パークに一番近いループの駅、Adams/Wadash駅からブラウンラインに乗る。電車はループを半周し、北方向へ向かう。シカゴ近郊の住宅密集地の中の高架区間を、それこそくねくね走る。本当にカーブが多い。高架といっても家の2階くらいの高さなので、家々の中をのぞき込むようで、景色を眺めていて非常に楽しい。ループから10分ちょっと走るとレッドラインが地下から上がってきてこちらの上下線に割り込んでくる。そして3駅ほど並行して走る複々線区間となる。この間、レッドラインはノンストップ、ブラウンラインは各駅停車。3つめの Belmont駅でレッドラインに乗り換え。向かいのホームなので乗り換えは簡単。この駅を出るとブラウンラインは左に分岐していき、そのあとすぐに左側にリグレー・フィールドの照明灯が見えてくる。

最初の駅である Addison駅で降りる。リグレー・フィールドと言えば、外野スタンドが低くて、その外側にあるビルの屋上から球場内が丸見えなので、ビルの所有者が勝手に屋上に客席を作り、逆にこれがシカゴの名物になっているが、位置関係的にはライト側のそういうビルの裏側に駅がある。

今日は祝日でも何でもないふつうの木曜日のデーゲームである。にもかかわらず球場には続々とファンがやってくる。ホントにみんな野球が好きなんだなあ、と自分のことを棚に上げて感心していた。

 

  試合中の詳細は、観戦記参照。

試合は4時15分ころに終了した。観戦もこの試合が最後なので、閉門ぎりぎりまで場内に残り、余韻を楽しんでいた。そのあと球場の周りを1周する。周辺はふつうの住宅地で、そんな中に突然紛れこんだ球場、という感じであった。一方、球場から駅までの間の道沿いには飲み屋が並んでいて、日もまだ高いこんな時間から観戦帰りの客たちでどこも大にぎわいであった。

 

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