海外の鉄道もの

クスコ〜アグアス・カリエンテス(マチュピチュ)間 アウトヴァゴンその2


往路 アグアス・カリエンテス→クスコ

マチュピチュからの帰りも、さっきの折り返しのアウトバゴン。先頭からしっぽまで完全に満席である。



アグアス・カリエンテス駅
この手前にフェンスがあって入場をチェックしている
 

15:00、定刻通り発車。往路は車内の客がけっこう騒がしかったが、帰りはみなさんお疲れなのか寝てしまう人が多く、比較的静かである。今までずっと日なたに停まっていたのか車内が暑くて、窓も上3分の1しか開かない(空調などない)のでなかなか涼しくならない。



車内の様子
 

列車は、さっき来た道を戻るわけで、ウルバンバ川に沿ってひたすら登りである。ただ、車両が比較的新しいのと、登りがそんなに急でもないせいもあって、走りは行きとあまり変わらない。でも朝見た旧型ディーゼル機関車だったらけっこうしんどいかも知れない。

16:20、朝乗ったオリャンタイタンボ駅に着く。この駅で半分以上の客が降りてしまう。行きもここから乗った人は多かった。ということは、マチュピチュとウルバンバ渓谷をセットで観光する人はかなり多いようである(私もそうだったが)。

一方、私は帰りはクスコまで乗る。車内がすいてしまったので、私を含め残った客たちはあいている席に散らばっていき、車内はかなり余裕ができた。ここを境に今まで車内に流れていた民族音楽も止まってしまい、車内販売もなくなる。まだ全区間の3分の1しか来ていないのに、早くもここから先はおまけの区間のようである。

オリャンタイタンボを出てしばらくすると、ウルバンバ方面への廃線となった貨物線が分岐していき、同時に今まで付き合っていたウルバンバ川とも別れて山の中に入っていく。細い谷間をくねくね走りながら、ひたすら登る。途中、2段スイッチバックまである。

1時間以上そうやって走って坂を登り切ると、いきなり畑と牧草地が入り交じった平地になる。北海道の大地を思わせるような雄大な景色である。でも地形的にここはクスコより高く、標高3,800mくらいはあるらしい。それとこれとのイメージがちょっと結びつかない。



これで標高3,800mくらいです。
 

そのうち、夕方6時には日が暮れてしまい、景色が見えなくなってしまう。私も眠くなってウトウトしていると、18:30頃クスコの夜景が一望できる場所に出る。見事な眺めである。
列車は、ここからスイッチバックを4回も繰り返して、町の中に下りていった。町の中心にあるアルマス広場が、右に行ったり左に行ったりしながらずっと見えていた。

18:58、定刻より18分遅れてクスコのサン・ペドロ駅に着く。着いたホームは駅舎を通らなくても外に出られる場所にあり、出迎えのバスや車が列車のすぐ横まで来ていて、雑然としていた。

 

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