海外の鉄道もの

ユングフラウへの鉄道 続編


ユングフラウへの鉄道からの続きです)

グリンデルワルドに着いた我々一行は、その翌日から4日間、ラフティングやキャニヨニング、サイクリング、ハイキングと言ったスポーツプログラムをこなした。

その4日目。この日の予定は午前中で終わりで、午後は自由行動ということになった。
となれば私が考えることはひとつ。
それは、列車に乗って、ヨーロッパで一番高いところにある鉄道駅の「ユングフラウヨッホ」に向かうことである。


お昼過ぎ宿に戻ると、さっそく宿の近くの
ヴェンゲルン・アルプ鉄道(WAB)グルント駅へ向かう。
窓口でユングフラウヨッホまでの往復切符を買う。なんと132スイスフラン(当時のレートで約¥10,500)もした。



グルント駅構内
 

グルント駅はWAB鉄道の車庫がある駅で、なぜかスイッチバック駅である。
始発駅のグリンデルワルドから列車がやってきて、13:26出発。
列車はだいたい30分間隔で走っており、2両編成が基本ユニットになっている。ふつうなら、これをいくつかつなげて4両とか、6両とかにするのだが、この鉄道の場合、
2両編成の電車が連続して走る。私の乗ったグルント発13:26も2両編成の電車が3編成である。



2両編成の列車の編隊
うしろの列車は新型車両
 

標高943mのグルントから、約30分で標高2,061mの乗換駅クライネ・シャイデックまで登るため、ほとんどの区間がアプト区間である。もちろんこうなるとすべての車両が動力車である。

列車は、雄大なアルプスの山々を見ながら山の斜面の草原を走ることがほとんど。時々駅があり、列車とすれ違う。


13:54、終点
クライネ・シャイデック着。
ここからいよいよ
ユングフラウ鉄道(JB)に乗り換える。列車は外見が阪神電車にそっくりの旧型電車(2両)か、赤地に黄色いラインの入った新型車両(4両)のどちらかで、今度の列車は新型の方。これから行くにしてはやや遅い時間なので、すいていた。



乗換駅 クライネ・シャイデック駅に停車中のJB鉄道の新型車両
 

14:02、発車。ひらすら急勾配を登っていくため、この鉄道も全区間アプト区間である。

いよいよアルプスの山々が目前に迫ってくる。10分ほどでアイガーグレッチャーという駅に停まる。ここからは、終点までトンネル区間。地図で見ると、アイガー(3,970m)や、メンヒ(4,099m)の真下を走っていることになる。途中2ヶ所ほどトンネル内の駅で5分づつ停まる。その間にホームからすぐのところにある展望台に展望を見に行く(これがひとつの観光コースになっている)。

14:53、トンネルの中の終点ユングフラウヨッホ着。標高3,454m、ヨーロッパで一番高所にある鉄道駅である。
ホームの看板には6ヶ国語で「歓迎」の意味の言葉が書かれてあって、その中に漢字もあった。車内放送もいくつもの言葉で行われていて、その中には日本語も韓国語も中国語もあった。いかに国際的な鉄道か、ということである。



トンネルの中のユングフラウヨッホ駅
半分ちょん切れているけど、看板には「TOP OF EUROPE」と書いてある
 

駅から階段を登っていくと、展望台がある。一番高いところで標高3,571m。富士山と同じレベルの高さで、さすがに空気の薄さを感じる。
位置的にメンヒとユングフラウ(4,158m)の間の鞍部にあたり、外には営業中のスキー場もあった。



標高3,571mの展望台からの景色
ちなみにこの日は7月31日

 

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