A 7月6日(金)
 

仁川(インチョン)公設運動場野球場
SKワイバンズ 4−3 LGツインズ  観衆 ; 1,640人

今回、せっかく韓国まで見に来たからには、ソウル以外のどこかの球場でも試合が見たいと思い、やって来たのが今日のインチョンである。
と言ってもインチョンはソウル近郊の町で、ソウルに宿をとったままでも何ら支障はない。


このインチョン野球場は、
2年前までヒョンデ・ユニコーンズの本拠地であった。2年前の暮れ、全州(チョンジュ)というところにあったサンバンウル・レイダースというチームがSKグループに買収されて、インチョンにやって来た。入れ替わるようにユニコーンズは当時からの準本拠地であった水原(スウォン)に移転していった。

なお、現在は2002年のサッカー・ワールドカップに合わせてインチョンに新しいスタジアムが建設され、ワイバンズの本拠地球場はそちらの方に移転した。写真で見る限りソウルのチャムシル球場より立派そうである。

 


ソウルからインチョンまでは、ソウル地下鉄1号線がそのまま乗り入れている
国鉄京仁線で、終点仁川(インチョン)駅の2つ手前の桃源(トウォン)という駅で降りる。ソウル地下駅からだとだいたい1時間ぐらいである。
途中、龍山(ヨンサン)〜富平(プピョン)間だけ区間運転している快速電車もあるが、はっきり言って各駅停車との接続はあんまり考えられていないようで、運がよければ快速に乗れて多少早く着くかなあ、という程度である。

トウォン駅を降りると、すでに駅のホームから球場の照明灯だけ見える。線路と並行して走っている道沿いにある4階建てくらいの建物群の裏側に球場があり、駅正面の道を進むとすぐ球場である。実際にはこの道路を渡るには地下道を通らなければならず、その地下道には「←ヤグジャン Baseball Ground」の案内標識があるので、まず間違えない。

この道沿いに切符売場があり、その横の門から敷地の中に入る。この敷地の中に野球場と陸上競技場と、もう1つ体育関係の建物がある。この野球場と陸上競技場は構造がつながっていて、球場をぐるっと1周はできない。



 駅から歩いていくと最初にある門。
「SK:LG」と書いてる下あたりから中に入る。
この右側に
切符売場がある。
 



そこから中に入ってすぐ野球場がある。
大きな看板の下が「指定席」の唯一の入口。
 

切符売り場周辺には、たくさんの露店が並んでいる。というより、この球場は球場内に売店がないので、食料についてはここで仕入れないとならない。私ものり巻きと、でかくて辛いヤキトリみたいものを買った。
ちなみに、こういう状態なので、スタンド内外への出入りはチケットにスタンプを押してもらえば自由にできる。



切符売場周辺の露店。
食料はここでしか仕入れられない。
 

球場正面玄関の向かいに、ビジターチーム・LGツインズの遠征用バスが停まっていた。この球場にはビジター用の休憩室がないのか、ツインズの選手たちはこのバスの中で休憩していた(というか、暑いので涼んでいた)。



ツインズの遠征用バス。
 

 

今日も指定席にしてみた。この球場では、「指定席」とはすなわち「バックネット裏の席」のことで、一般席(自由席)とは完全に構造が分かれている。
しかも、指定席については入口が1ヶ所しかない。入口からスタンドまでは、幅2mくらいの狭ーい階段で、途中にトイレ(男女兼用)と、「
仁川廣域市野球協會」と書かれた扉があった。



この日のチケットです。
 

指定席の一番前の席とバックネットとの間に、異常に広い通路がある。そのおかげで、試しに一番前の席に座ってみたらバッターボックスが見えなかった。もしこの球場が満員になったら、この席も売られるのだろうが、バッターボックスが見えないんじゃあおもしろくないよなあ・・・。
ちなみに内野席は指定席・一般席とも背もたれ付きのイスで、外野席は長イスである。

スコアーボードは電光で、昨日と同じくすでに先発メンバーは最初から表示されている。ただ、選手名が3文字までしか表示できず、韓国人選手はそれでいいのだが、ハングル文字で4文字のツインズの助っ人ロマイオ選手なんか、「ロマイ」までしか表示していない。
また、内野は土のグラウンドだが、外野は人工芝になっていた。

試合開始30分くらいまで、指定席にいた客は5〜6人くらいで、「ありゃま」と思っていたが、その後100人くらいになった。その他の大多数の客は内野一般席にいる。もちろんそこには両チームの応援団が陣取っている。

指定席にいると、ワイバンズのシャツを着た女性が一部の客にジュースとお菓子のサービスをする。おそらくそのサービスを受ける人はファンクラブの会員か何かなのだろうが、どうやって見分けるのだろうか。

 

いつものように韓国の国歌演奏があり、6時半試合開始。

1回表攻撃中は1塁側スタンドに応援団長の姿が見えず、「今日は応援がないのかなあ」と思ったら、1回裏になって4人のチアガールとともに登場。この暑いのにネクタイをしていて、汗だくで応援しているのが私のところからもわかる。ご苦労さまです。



1塁側のワイバンズ応援団
 



それに対して3塁側ツインズ応援団
人数的にはワイバンズ側と同じくらいだった。
 

韓国では(日本もそうだけど)、今が1年で1番日の入りが遅い時期で、今日の日の入り時刻は夜8時近い。試合開始のときは完全に昼間のようで、ナイター照明はついていない(昨日のチャムシルでは、それでも試合開始前から照明がついていたが)。7時15分頃、3回表攻撃中になってようやく点灯する。日本なら、ゲームに差し支えないようにイニングの合間に点灯するが、韓国ではお構いなしにプレー中の点灯である。

試合は、2回裏にワイバンズがタイムリー2本で先制。5回裏にもタイムリー3塁打がでて、ワイバンズ3−0とリード。この間、両チームの守備に好プレーが続出し、スタンドはかなり沸いた。
昨日と同じように、ドラムと電子オルガンの大音響の応援なので、観衆が1,640人しかいないのに場内はけっこう騒がしい。

5回が終わると、この球場では外野方面から「ストラックアウト」のような的と、5人ほどの(たぶん応募した)挑戦者が登場。その的(穴があいている)にボールを投げて、見事その穴を通すと賞金10万ウォン。1人だけその賞金をゲットした挑戦者がいた。

試合は6回表にツインズにタイムリー2塁打が出て3−2の1点差。かなり雰囲気的には緊迫していたが、その後両チーム1点ずつ取って、結局4−3で地元SKワイバンズが勝ったのでした。

地元チームが勝ったので、試合が終わった後どんなセレモニーがあるのだろう、と思っていたのだが、そんなものは一切なし
試合終了と同時にどちらのファンもとっとと家路につく。試合の余韻など何にもない。私は北朝鮮の平壌でサーカスを見たこともあるのだが、あのときもそうだった。ということは、これは国民性というより民族性だと思う。

 

試合後5分もするとほとんど場内に客がいなくなる。そしてその2分後、消灯。しかも全部。全部消灯するか、おい。3塁側ベンチの上に投光器が2台あって、それが唯一球場内を照らしている。
試合終了10分後には、場内には記事を書くマスコミ関係者だけになったので、私も球場外に出る。LGツインズの選手を乗せたバスは、とっくにいなくなっていた。

試合が終わったのが9時45分で、ソウル市内のホテルには11時過ぎに着いた。部屋でKBSを見ていたら、そのスポーツコーナーではサムソン×ヒョンデの首位攻防戦を詳しくやっていた。ヒョンデのチョン・ジュンホ選手がサイクルヒットを達成した、と大騒ぎしていた。
ちなみに私の見に行った試合は、結果のみの紹介であった・・・。

 

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