@ 9月23日(土)
 

ボストン・フェンウェイパーク
レッドソックス
 8x−7 オリオールズ  観衆 ; 32,273人(収容人員 ; 33,925人)


ということで最初にやってきた町がマサチューセッツ州ボストン。
まあ、実際には日本からボストンへの直行便はないわけで、私もシカゴで入国審査を受けて国内線を乗り継いで来たわけだけど、とにかくボストンである。

収容人員が少なく、メジャーで最もチケットが手に入りにくいと言われているフェンウェイパーク。思い立った頃にレッドソックスのHPを眺めたところすでに前売り券は売り切れであったので、チケットは前もってロサンゼルスにある日本語の通じるエージェンシーから手に入れておいた。

今日の試合開始はそのチケットにもレッドソックスのHPにも「1:15 or 5:05」と書かれていて、1週間くらい前になって再度HPを見たら5:05に決まったいうことがわかった。ところが当日地元の新聞を購入して眺めていたら、試合開始は4:35とのこと。何なんだこれは。



この日のチケット。写っているのはエースのペドロ・マルチネス(現メッツ)です。
ここにも試合開始は「1:15 or 5:05 pm」と書かれてます。
 

ボストンはアメリカの古都と言われているだけにきれいな町だ。
試合開始が遅くなったのをいいことに、朝からあちこち散歩したり、MITやハーバード大学へ行ったりする。特にいちおう工学系の大学を出ている私にとってはMITは聖地みたいなところで、ぜひ行ってみたかった。
最後にジョンハンコックタワーの展望室から市内を一望する。これから行くフェンウェイパークも見える。

そのフェンウェイパークへは地下鉄のグリーンラインという、路面電車が地下を走っているような乗り物(ボストンには地下鉄が4路線あり、他の3路線はふつうの電車である)に乗ってKenmoreという駅で降りる。私が泊まったホテルのある、繁華街のひとつCopleyからだとわずか2駅という近さである。
駅を出て最初の角を左折し、ハイウェイの上を渡ると、この球場の名物グリーンモンスター(レフトの後ろにそびえる緑色の高い外野フェンス)の裏側が見えてくる。グリーンモンスターの裏側ってすぐ道路なのね。



グリーンモンスターの裏側。
ちなみに現在はこのあたりもスタンドになった模様。
道路は閉鎖されたのかな?
 

それ以外の場所の外観はレンガ造りのビルのようで、周囲の景観に完全に溶け込んでおり、それが球場であるとしばらく気づかなかった。だいたい、よくこんな変形5角形の土地に球場なんか作ったもんだ。



フェンウェイ・パークの正面。
周囲の景観に溶け込み、言われてみないと球場であるとわからない。
 



球場内にあった案内。すごい形をしてますね。
 

中に入る。長年の念願がかなった瞬間で、ウキウキする。天然の芝生がきれい。やはり目立つのはグリーンモンスター。グラウンドではオリオールズの選手がバッティング練習をしている。打球が速いなあ。



スタンドに入ってすぐに撮った写真。
このときの気分はもう小学生の遠足の時のようでした。
ちなみに正面の緑色の大きな壁がこの球場の象徴グリーンモンスター。
 

ところで私の席はと探してみたら、なんとレッドソックスのベンチ上の前から4列目。目の前に1塁ベースがある。
グラウンドとスタンドの間にバックネット以外のネットがない(これはどこの球場でも共通している)上にファールゾーンが狭いから余計近く感じる。内野手が悪送球したらそいつが飛び込んできそうな席だ。

スタンドの最前列には選手にサインをもらおうという黒山の人だかり。レッドソックスの背番号12番の人がベンチの屋根上に乗っかってサインに応じていた。選手にしては小太りだと思ったらキムという3塁コーチだった。ちなみにこのキムコーチ、レッドソックスの攻撃時には誰よりも早く3塁コーチスボックスに全力疾走する。ベンチに戻るときも全力疾走。これも名物のようである。

名物といえば、スタンド内を歩き回っているピーナッツ売りもそう。遠くの方から「ピーナッツちょうだい!」と声がかかれば、そこに向かってピーナッツの入った袋を思いっきり投げる! どんなに長い距離でも、絶対にはずさない。ヘタなピッチャーよりよっぽどコントロールが良い。


試合前のセレモニーで、今年活躍したレッドソックス傘下のマイナーリーガー達が表彰されていた。私服姿の彼らに混じり、その後メジャーに昇格してレッドソックスのユニホームを着ている選手が2人いて、そのうちの1人が大家(現ブリュワーズ)だった。さっそく見る日本人選手。でも大家は翌日の先発なのであった。



表彰される大家選手
 

そして地元カレッジの合唱隊による国歌の斉唱。もともと荘厳な歌なのに、さらにこのように荘厳に歌われると、初めてということもありいい意味で鳥肌が立った。

つづいてスターティングメンバーの発表。やはり今年のア・リーグ首位打者、主砲ガルシアパーラ(現ドジャース)は人気があって一番歓声が大きい。彼がウォーミングアップのためベンチから姿を現しただけでもものすごい歓声。
一方オリオールズの4番はなんとあの鉄人カル・リプケン。彼にも歓声があがる。ビジターチームの選手に歓声があがったのは、観戦した5試合中このリプケンに対してだけであった。さすが国民的英雄。それにしても、最近は6番とか7番くらいのイメージが強いリプケンが4番とは。

そのリプケンが試合前キャッチボールをしているのを見たとき、「あの雑誌とかでしか見たことのないリプケンがキャッチボールしてる。彼らと同じ空間にとうとう来たんだなあ」と思わず身震いしたことを忘れることができない。


さてスタンドも満員となり、試合開始。



私の座った席からの景色。
ホントに目の前に1塁ベースがありました。
ちなみに1塁ベース上に立っているのがカル・リプケン
 

1回にいきなりリプケンのタイムリーでオリオールズが先制したものの、2回に6番ルー・メロー二(ちょこっとだけベイスターズにいた)のタイムリーで逆転。このメロー二が打席に入るときは、スタンド全体から「ルー」と一見ブーイングのような声がかかる。そしてタイムリーを放てば「ルー」。サードの守備で、打球を処理すれば「ルー」。
さらに3回にはガルシアパーラがグリーンモンスターの上を越える2ランで追加点と、レッドソックス優位に試合が進み、場内はいい雰囲気。スタンド内にビーチボールが飛び回る。ウェーブもおきる。



私の座った席からの景色その2。
ガルシアパーラ(中央)がホームランを打って帰ってきたところです。
 

ところがレッドソックスの投手陣がピリッとせず、ガルシアパーラも要所要所でエラーしてあっという間に同点。8回くらいからは、「Let's Go Red Sox」の大合唱がおきる。



日も暮れてナイトゲームになってきました
 

で、とうとう延長戦に突入。10回表に1点とられて「あーあ」という雰囲気であったが、その裏にタイムリー3塁打が出て同点、さらにサヨナラのチャンス。それからの盛り上がりといったら、もう…。



同点に追いついたところ
 

オリオールズも内野5人に外野2人という変則シフトを敷いて必死の防戦であったが、結局その後2アウト満塁から押し出しのフォアボールが出て、レッドソックスがサヨナラ勝ちしたのであった。



サヨナラ勝ちし、喜び合うレッドソックスの選手たち
 

場内の雰囲気は最高潮。観戦初っぱなから、すごい雰囲気を味わせてもらった。

 

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