日程表
苦味のない透き通る石腕にはめ空をたたいた旅の日の午後
膝をつき抱き取る雲のたらす風ほこりまみれの光をまわす
ちぎる夢夕日にひたす指をあけ色を眺める秋の列車
夏の陽をはじいて巡る音のない道だった影まきつく家並み
割れる窓よりそう夜のかたまりに湿った喉をきしらせてみる
枝を刺しひきつる空に手をあてるおさえてもまだ止まない光
振り返り伸ばす手にもつ夢の実の硬く乾いたにおいにむせる
淀む日の溶け込む流れ深みにも見える色彩花を手向ける
噛み締める苦味終わった花影にさえずる石の滑らかな色
のびる爪月を掻き取る眠りたくない夜の夢痛みの震え
月はいつも視界の外をめぐる道音にもつもる靄をくぐって