<藤井耕一郎:幻の水素社会> 

本の紹介:最近読んだ、スカッーっとする本です。


 

 

 面白い本を読みました。タイトルは以下の通り。

幻の水素社会:「環境問題」に踊らされるピエロたち
藤井耕一郎 著

【以下、目次です】

第1章:「地球温暖化」という欺瞞

第2章:もし、世界が100億人の村だったら

第3章:幻の水素社会

第4章:水素の魔力にとりつかれた人々

第5章:「負け組」を負けさせ続ける「勝ち組」たち

第6章:水素社会なんてやってこない

 

 なかなか、すかぁっとする文章です。しかし、高校生などの教材としては、不適な内容かもしれません。


 Marco。さんが昔から考える、情報化社会=ごりおし社会、あるいは、文化=Cultivate=人の脳を耕す、の思想に似ている本の内容です。

 著者が何度も語る、貧しきものは更に貧しくを続けるためには、富めるものは自分を守る手段を昂じなければならないとするこの考えには共感できます。イスラム教徒は何故キリスト教徒に負け続けるのか?、については、触りたくない話題ですが、良くも此処まで正直に書けるなあ、とも思いました。

 しかし、書いている内容といい、実際に引用される国内外の実名の団体と言い、極めて自分が過去に付き合ってきた団体ばかりです。

 確かに、燃料電池というか、水素社会といえば、アイスランドの話が引き合いに出されるのは納得です。

 そういえば、スウェーデンの歌手、ABBAが歌っていた、”Winner Takes It All ♪”なる曲がありましたが、この本を読んだら、当時の受験生はあの曲を嫌いになったかもしれません。


 本に書いてあるように、京都議定書の意味は、まさに、この、”Winner Takes It All ♪”そのものです。

 かつて、第二次世界大戦開始頃に、国際連盟を脱退した時の松岡さんの心情が、当時の日本の担当者に過ぎったのかもしれません。また、United Nationを、「連合国」、と訳さずに、「国際連合」とあたかも平和的に訳すところが、我々の国民性名のかもしれません。

 しかしだ。10年前にこの本を読んでいたら、この著者はどう考えても、闇討ちされたでしょう。袋叩きです。

 今は、「お友達になりたい!」、と、思いますが、、。



 
 

 


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