<Camino de Santiago 第14日目> 

Reliegos から、Leonまで.。


 <第14日目> 6月16日(土曜日) 537km

7:30 出発@537km @Reliegos buen アルベルゲ  朝の冷たい空気の中、砂利道の坂を登り、民家を抜け、小さな街へ入る。今日も快晴である。街への入口は歩き組も国道脇を行くしか路はないようである。

8:10 通過@544km @Mansilla  昨日、Reliegosの村でスーパーマーケットを探したときに、大きな店ならマンシージャまで行かないと無いよ、と子供に言われたが、ここもそれほど大きな街ではない。あっという間に通過。

8:40 Cafe@549km @ BAR  巡礼路が国道から再び山道へ入ろうとするところに、BARを発見。大勢の巡礼者達が休んでいた。カルロスとフェルナンドに再会。彼らが朝5時にアルベルゲを出たときは、めちゃくちゃに寒かったとのことである。放射冷却現象なのであろう。カフェとドーナッツだけの簡単な朝食をとる。

 Villarenteの街へ入ると、水道工事屋さんや金物屋さんが多く目に入る。自転車に荷物をくくりつける紐のスペアーの良いのがないか探しているところであった。ふと、道ばたのゴミ捨て場の中に、自転車カゴのような郵便受けのような花入れのようなカゴを発見。少し壊れているので捨てられたのであろう。大きさはちょうど、70リットルのザックの底が横にすっぽりと入るくらいである。このカゴを荷台にくくりつければ、安定していてかつ荷物を取り出しやすくなる。しかし、問題は、どうやってこのカゴを荷台に固定するかである。土の中に埋もれた工事用のトラロープを発見。仮処置でしばってみたが、走り出すとすぐに切れてしまった。荷物が重いため、紐が切れなければカゴがザックの重さで壊れてしまっていたであろう。再びザックを方に背負い、国道の路側帯を、なにか丈夫な紐は落ちていないかと探しながら進む。

 「何かを見つける旅」、それが巡礼路であるとするならば、私の場合は身近な問題として、この荷物をどうやって自転車にくくりつけて快適に移動するか、まさにこれこそが日本を出発する前から心に抱いていた命題であった。出発以来、「出来ることしかできない」の信念のもと、置かれた状況での判断に間違いはなかった。しかし、常に満足のゆく形は見つけられなかった。「あるべきもので満足せよ!」、確かにこれがこれまでの山登り経験を通しての私の結論であった。さらにその先のこだわりに向かって、今新たな挑戦が始まろうとしていた。「人は何故巡礼路歩くか?」、という質問を誰しもがテレビのアナウンサーの如く話したがる。

 答えに困ることはない、歩く練習をしているのである。同じように、「何故書くか?」、と尋ねる人もいるであろう。答えは同じ、「字の練習」である。

 考えながら、国道脇の路側帯を道路表面を見ながら、ゆっくりと登り続ける。考えが煮詰まった頃、ステンレスの太い針金も落ちていた。あるアイデアがひらめいた。カゴを荷台に固定することも大事だが、カゴを補強することも大事である。針金製のカゴの溶接部分を補強する形を作りながらかつ、荷台にも螺旋状で太い針金を通し、さらに新しい接点を紐で固定する形で荷台は完成した。腐れかかったプラスチック紐の部分は振動で切れそうであったが、これは応急処置である。新品の針金かインシロックに交換が必要である。

10:30 到着@570km @Leon入口のモール:Macdonaldo有り  レオンの街が見えた。大都会である。レオンの入口には、アメリカ風の大きなショッピングモールがあった。さっそく入り、針金と工具を探す。日本の100円ショップに相当する、100Pts****があり、工具は非常に安く手に入った。ただ、ラジオペンチだけは安物を買わずに焼き入れした専門店のものを買った。モールの駐車場で、土曜日の為に大勢の家族連れでごった返す中、駐車場で自転車カゴのチューン・アップを行う。完璧である。もう、ザックはどろどろにはならないであろう。また、荷物の取り出しもずいぶんと楽になった。昼過ぎまでかかってしまったが、この先の時間の節約に大きく貢献するであろう。ここで買った工具類は、先日Sahagunの自転車屋で買った小物入れにちょうど収まった。

 レオンのカテドラルに到着。なんとデカイ建物である。広場には絵描きがたくさんいた。また、この日は素人画家のコンテストでもあるらしく、キャンバスの数はものすごかった。夕方にはカテドラル前で投票も行われていた。アルベルゲを探すが全然見つからない。同じところをグルグルと周り出す。サンマルコ広場まで行って、さらには橋を渡って、黄色い矢印に従ってその先の街まで行きそうになった。疲れてきたので、サン・イシドロ教会前のBARで休息した後、カテドラルの中に入る。天井画を見て、さらに首が疲れる。フェルナンドとラファエロにまた再会する。彼らはアルベルゲではなくホテルに泊まるといっていた。疲労(今日は、体力よりも精神的と知能的に疲れた)もピークに達してきた。時間切れである。安いホテルを探して風呂に入ろうと決心。すぐ見つかる。洗濯して外出。

 再びレオンのカテドラルへ。土曜日のためか、結婚式が行われており、新郎新婦の入場からパイプオルガンが境内に響き渡った。着飾った大勢の人々が押し寄せてくる。上を見上げると一面のステンドグラス。赤が強烈であった。確かに豪華である。  夕食は、雰囲気の良さそうなレストランに入る。まだ9時前であるので店は空いている。メニューを見なくてもさらさらと発音でき、はずれが少ない食べ物、Sopa de mariscos と merlusa a la romana。うまい。

 10時頃であるが街は眠りそうな気配は全くなかった。何かのお祭りなのであろうか、ガウンを着た若者が多かった。レオンの国旗を書いたマント箱乗りで振りかざす光景も見られた。また、通りにはレオンの国旗を車から公園にはテレビ局の中継車があり、ロックバンドのステージの前には、どんどんと人だかりが出来て行き、ついには足の踏み場もないほどに、公園は人で埋め尽くされた。ステージの若者のかけ声とともに、レオン・レオンの大合唱が始まる。噴水の水の中に飛び込む少年・少女、すごい熱気である。10時半過ぎである。今日はアルベルゲに泊まらなくて正解であった。


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