<Camino de Santiago 第15日目> 

Leonから、Astorga (Gaugi デビューの地)まで.。


 <第15日目> > 6月17日(日曜日) 589km

8:05 出発@589km @ Leonのど真ん中のHOTEL  

7:00 しかし、昨日は久々にゆっくりと寝られた。繁華街のど真ん中にあるのに、何と昨日はぐっすり眠れた。もっと前からホテルにも泊まれば良かったとも思う。自転車を預けたホテルの倉庫へ自転車を出しに行く時間である。8時だとチェックアウトの客で忙しいので7時にしてくれとのことだった。自転車を出してからシャワーを浴びて出発準備。  昨日、何度も足を運んでしまった、サンマルコ広場(現在はパラドールとなった大きなカテドラルがある)を朝再び通り橋を渡ってレオンの街を終える。ザックを背負った歩き組を何人も見る。

9:40 Cafe@607km @ BAR  郊外の住宅街らしき場所を走る。そして山道へ入る。

10:40 Rest@612km @ Villadangos アルベルゲ  再び国道、N-120へ出る。暑い。アスファルトの照り返しである。鉄道の線路を横切るために、歩道橋を渡る。街全体が見渡せる。ど田舎である。どうも、おいしいランチにはありつける雰囲気はない。歩道橋を渡ったところで、この先2kmにレストラン有りの小さな看板(張り紙)を見てはいたものの、あまり期待はしていなかった。メインの路から少し脇道にはいるところに、レストランはあった。

12:00 昼食@627km @ Pascual Domingues=Nice Restaurante  小さな入口を入ると、BARになっていた。店の壁一面に、写真付コンビナードメニューが貼ってある。こうなってると注文しやすいが、味はハズレの場合も多い。奥の部屋のテーブルに座って、ピッチャーで運ばれてきたビールを飲みながら注文する。ステーキ肉に加えて、最近食べていない、ツナ入りトルティージャをつまみに頼む。周りに客は私だけである。更に奥のキッチンから、油のはねる豪快な音と匂いが聞こえてくる。パイのように切り取ったオムレツではなく、ホットケーキのような小さな円の出来立てトルティージャであった。サラダにステーキ、どれもおいしかった。満足。

14:20 Picture@639km @Rio Tuetro: T-Cross  路は再び山道へはいる。巡礼路は高原の牧場といった感じである。牧草が生い茂っている季節で有れば、牧草地の中に一本の路が長く続く風景になるのだと思うが、今はただの土のグランドである。ぬかるみの部分には、自転車の車輪の跡が何本も走っていた。私有地の牧草地らしく、所々に農道が巡礼路に交わっている。巡礼路はただまっすぐ進む。どこまでも、どこまでも。

 その、「どこまでも」が無くなるところ、頂上である。大きな十字架が巡礼路のど真ん中に、待ちかまえていたかの如く現れた。頂の眼下には、レンガ色の屋根が連なるアストルガの街、高く聳えるカテドラルが広がっている。心に残る風景を撮影。  自転車にやっと乗っていることが出来る程の急な坂を、握力が無くなるほどのブレーキング下る。大きな公園にさしかかると、この先アルベルゲの黄色い矢印が出始めた。公園の中をかなり進むと、アルベルゲはあった。ちょっと早いが泊まることにした。ホステラーは英語が堪能であった。8時から食堂で簡単な夕食をみんなでshareして食べるとのことで出席してはと言われた。

 荷物を宿に置いて、カテドラル、ガウディーが初期に建てた博物館をゆっくりと見学する。この博物館は、テーマを巡礼そのものに絞っている感じのする品揃えである。規模も手頃で一日で見きれるほどである。今回の旅行の中で行った観光としては、一番印象に残る場所であった。

15:00 到着@645km @ASTORGA アルベルゲ

 ベッドルームに入ると、80人ほどの定員の部屋はほぼ満員であった。入口にはどろどろの登山靴が棚に積まれている。まさに、「救護院」の言葉通りであった。死んだように眠る人、足のまめを治療する人、痛み止め(pain killer)のエアー湿布の匂いが充満していた。確かに、ロンセスバイエスから、あるいはもっとその先からここまで歩いてくれば、疲れ切るのはもっともなことである。近代の巡礼者はハイキング気分の者が多いとガイドブックに書いてはあるが、ちょっと違うと思う。

20:00 夕食@食堂@ASTORGA アルベルゲ   このアルベルゲはキッチンはあるが宿泊者には開放されていない。8時からの夕食には20人ほどが集まった。フランス人が8割とスペイン人が2割に日本人(私)が一人である。スープにパン、サラダ、アルコール無しとチョット物足りない食事では会ったが、家庭的な暖かさが有り難かった。隣りに座る日に焼けた背の高いフランス青年は、遠くルピュイから歩いて2ヶ月目らしい。サンチアゴ到着後は忙しいのですぐに帰るとのことである。

22:30 門限ぎりぎりに帰宿 @ASTORGA アルベルゲ

 夕食後、再び街へ繰り出す。サイバーカフェ(インターネット利用)に入る。スペインでこれまで何度か見てきたが、入ったのは初めてである。いままで入りたいと思っていて入れなかった気持ちが爆発したのか、まるで「1時間なんぼだ、やらせろー!」の感覚で受付の店員にあたったような気もする。(イベリア半島のサイバーカフェのシステムについては後述するが場所によってまちまちである。)1時間400PtsでCRTとキーボードが与えられた。メールアドレス帳など持っているわけがないので、会社の知人であれば名前が解ればメールを出せると思い試みた。何せ久々のキーボードである、慣れない感触にとまどう。しかも1時間の制限(アルベルゲの門限がある)付の緊張下である。

 何と、@マークがどこにあるか解らない。アルファベットの配列は同じであるが、記号は全然違う。また、@マークの場所は見つけたが、シフトキーを組み合わせて押さなければ出ない。たかだか数行のメールを出すのに30分かかった。少し落ち着いてきたので、自分のHPにアクセスして、そこからリンク先をたどることを考えついた。  門限15分前の22:15。物足りない夕食を補う時間はもう無い。せめてワインだけでも、とBARに入る。いつも食事する時間帯とは違っていた。仕事帰りの作業者達でごった返していた。しかし、ここでも本領発揮。いつもならおとなしく立ち去り別の高級店に入るところだが、カウンターに立ち並ぶ労働者の群を掻き分け、大声で、「おやじー、飲ませろー!」に近い発音であったと思う。75Ptsの赤ワイン(うまーい!)を、駆けつけ2杯飲んで走って宿へ帰る。


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