2000年6月16日〜6月30日

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6月30日(金)

 昨日に引き続きセガの『ジェット・セット・ラジオ』。アナログコントローラによる非常にシビアな操作を要求されるゲームなのだが、ドリームキャストのアナログコントローラは正直なところ、ちょっとばかり操作がしづらい。配置のせいもあって、咄嗟に正確な上下左右を把握できないのだ。まあ、そんなことで投げ出すようなゲームではないんだけど。
 少しずつ自分がうまくなってきているということが実感できるゲームは好き。

6月29日(木)

 セガの『ジェット・セット・ラジオ』がおもしろくて更新どころではない。実はあんまり期待していなかったんだけど。かつてソニック・チームサターンで出した『バーニング・レンジャー』の最終面を思い出させるような難しさ。でも、おもしろい。止まらない。
 このゲームにはセル・シェーディングという技術が使われている。キャラクタがポリゴンで描画されているのに、見た目はセル画みたいにフラットで輪郭線があるというもの(『パラッパラッパー』みたいなもの、ではありません。念のため)。2Dっぽいキャラクタがぐりぐりと自由自在に動く画面は、なかなか新鮮。カプコンも、次はぜひこれでいってみてはいかがでしょうか?

6月28日(水)

 まずは「TSUTAYABOOKOFFの共同出店」の話題。5/31の日本経済新聞夕刊に掲載されていたCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)社長、増田宗昭氏を取り上げた記事によると、「今夏をめどに新刊を売る同社の『TSUTAYA』と中古書店ブックオフコーポレーション(神奈川県相模原市)との共同出店を始める」らしい。その意図を大雑把に要約すると、同一店舗で古本/新刊という購入の選択肢を増やすことによって集客力が高まれば、結果として新刊販売にもプラスになる、ということ。記事中では続いて、増田氏がCCCの前身となる貸しレコード店を始めた時、レコード販売店から反発を受けたが、結果的にはレンタルサービスが市場の拡大をもたらすという増田氏の反論が現実のものになったという例をあげている。

 新刊と中古本の二者択一ではなく、同一店舗で売るという発想は確かにおもしろいと思う。例えば、新刊書店側で巻数の多いコミックスに欠本を出さないようにすれば、中古本から新刊へ移行する消費者の流れをつくれるかもしれない。少なくとも小売店レベルで見れば、この試みが軌道にのる可能性はあると思う。では、出版業界全体で見るとどうなるかというと、これは皆目見当がつかない。少なくとも、CDレンタルのように中古本が「市場の拡大」をもたらすとは容易には想像できないし(というか、すでに供給過剰?)、CDレンタルについてはすでにレンタル業者とレコード会社の間で取り決めが交わされているが、中古本問題ではそれがない、ということもある。

 とりあえず成り行きを見守るしかないわけだが、この話題については継続的に書いていきたいと思っている。ちなみに、5/30の日経流通新聞には、TSUTAYAでは書籍の仕入れを取次を経由せずに直接出版社と取引して行う割合を増やす予定という記事が掲載されており、こちらもなかなか興味深い。

 日経新聞の記事に関しては、こちらの日記にも言及がある。赤尾晃一さんわかば日記5/31)。また、BOOK OFF問題を中心とした出版関連の話題については、こちらのリンク集が便利。雪樹さんあれれ日記出版流通関連話題LINK」。

 映画『クロスファイア』の感想はまたもや先送り。

6月27日(火)

 ジム・トンプスンポップ1280』読了。この異常さをことさら強調しない、全体的に本気とも冗談ともつかない軽快な語り口は非常に好み。帯には「田舎町に爆発する、狂った殺人の圧倒的ドラマ」とあるが、ここには「爆発する」、「狂った」殺人もなければ「圧倒的ドラマ」もない。この作品には、そういった過剰で凡庸なレトリックは似合わない。スリルもなく、サスペンスもなく、しかし、事態は目まぐるしく推移し、それでも、結局はなるようになるのだろうという諦念にも似た認識を抱きつつ読み進んでいると、気がつけば物語は終わっている。そんな小説。

 本日の購入本。彩胡ジュン白銀荘の殺人鬼』、森博嗣女王の百年密室』、西澤保彦依存』、大信田麗フェイク!』、そして、ビレッジセンターから復刊された佐藤亜紀鏡の影』。実は、佐藤亜紀の長編小説では、この『鏡の影』だけ未読だったりする(新潮社版は持っているのだが、どこにいったのやら見つからない)。しかし、この帯はちょっとあざといなぁ。曰く、「見えない力で絶版にされた文壇・出版界騒然の問題作を完全復刊」、「芥川賞受賞作との関係は?──判断するのは読者である」。

 平野啓一郎の『日蝕』は未読のため今のところこの件にかんして発言するつもりはない。
 しかし、例えば麻耶雄嵩夏と冬の奏鳴曲』と二階堂黎人奇跡島の不思議』程度の類似だったら、ことさら騒ぐほどのことではないと思うけど。

 唐突ですが、彩胡ジュンの正体をさわりだけ読んで大胆予想!
 愛川晶
(執筆/『化身』で鮎川賞受賞)+綾辻行人(プロット/『霧越邸殺人事件』で文春ミステリーベスト10第一位)に3000ペソ賭けます。二人ともすでに光文社から著書を出しているというのも理由のひとつ(ていうか、巻末の広告に名前が出ているというのが選んだ理由?)。
 ……大穴としては、徳山諄一(『焦茶色のパステル』で乱歩賞受賞)というのもありかも。いや、ないか。

 そういえば、6/24(土)に金子修介監督『クロスファイア』を観たのだが、感想を書くのをすっかり忘れていた。ボケはじめてる?
 昨日、アップしそこねた「TSUTAYABOOKOFFの共同出店」の話題とあわせて、明日の日記で書くつもり(最近、問題の先送りがすっかり癖になっている気がする)。

6月26日(月)

 日記を書いている途中でアプリケーションが落ちてしまった。ショック。

 ジム・トンプスンポップ1280』を読み始める。まだ半分くらい。この作者の小説はこれが初めて。軽快な文体と語り口が心地いい。さすがに評判になるだけのことはある。他の既訳本も手に入れなくては。

 TSUTAYABOOKOFFの共同出店の話題について書いたのだが、保存していなかったので全滅。さすがに今日は再度書く気にならない。もう時間も時間だし。気が向いたら明日書きます。

 まゆまゆさん、情報提供ありがとう。

6月25日(日)

 ドイツのヘヴィメタル・バンド、GAMMA RAYのベスト・アルバム『BLAST FROM THE PAST』を購入。ラルフ・シーパースが在籍時の曲も、カイ・ハンセンのヴォーカルで再録されている。もちろん、演奏もすべて現メンバーによるもの。すでにライヴで何度も聴いているので、ほとんど違和感はない。しかし、『LAND OF THE FREE』以降の音づくりがいまいち好きになれない者としては、今回の再録はちょっと微妙なところ。セルフ・プロデュースをやめて、もっと尖った音にしてもらえると燃えるんだけどなぁ。演奏とアレンジが悪くないだけに残念。
 それにしても、何のひねりもない選曲には笑った。まあ、ファン投票で選んだんじゃ、仕方ないか。個人的にはいいかげん『Heading For Tomorrow』と『Dream Healer』はライヴのセットリストからはずして欲しいと思っているんだけど、この様子だと一生やるつもりみたいだね。せめて、最後に『Heading For Tomorrow』をやるのだけはやめてくれないかな。
 ……無理ですね、たぶん。

6月24日(土)

 ブレット・イーストン・エリスアメリカン・サイコ』をようやく読了。「ここより入る者、一切の望みを捨てよ」ではじまり、「ここからは出られません」という一文で幕を閉じるこの小説には、およそ脈絡のあるストーリーというものは存在しない。主人公はウォール街のエリートビジネスマンであるパトリック・ベイトマンという青年。彼の日常が膨大な情報量の細部ととも語られる。例えば、こんな具合に。

 彼はカナーリ・ミラノのリネンスーツとアイク・ベハールのコットンシャツを着て、ビル・ブラスのネクタイをつけ、ブルックス・ブラザーズで買った、爪先に飾りのある、紐で結ぶ革靴をはいている。私は軽いリネンのスーツに、プリーツをつけたズボン、コットンシャツ、斑点のある絹ネクタイ。どれもヴァレンチノ・クチュールのもの。そして、アレン・エドモンズの穴あき爪先飾りつき革靴。ハリーズの店内へ足を入れたとたん、目立ったテーブルに陣取っているデイヴィッド・ヴァン・パッテンとクレイグ・マクダーモットが見つかる。ヴァン・パッテンが着ているのは、ウールとシルクを使ったダブルのスポーツコートに、やはりウールとシルクの、前開きをボタンで留める、逆プリーツがついたマリオ・ヴァレンチノのズボン。ギットマン・ブラザーズのコットンシャツ。ビル・ブラスの水玉の絹ネクタイ、ブルックス・ブラザーズの革靴。マクダーモットのほうは、織り合わせリネンのスーツに、プリーツつきズボン。コットンとリネンを素材にしたバジーレのボタンダウン・シャツ。ジョゼフ・アブードの絹ネクタイ。スーザン・ベニス・ウォレン・エドワーズのオストリッチ革ローファー。

 本国での出版時に物議を醸しだしたと言われる殺人のシーンは確かに残虐だが、上記で引用した場面同様、ただ無意味に詳細に語られているにすぎない。ただ、作者が意図的にそういった話法を選択していることは明白である。個人的にはその意図するところは理解できるし、その成果も大いに評価すべきだと思う。

 本日の買い物。元気首都高バトル2』(DC)、IBMViaVoiceミレニアム for Macintosh』。

 前者は首都高の忠実な再現を売りにしている公道レースゲーム。このゲームが優れているのは、設定を逆手にとってハードのパワー不足を(いい意味で)ごまかし、秒間60フレームの描画を実現していることにあるだろう。公道レースだから、当然舞台は夜間に限定される。周囲が暗いので、遠景のオブジェクトまで描写する必要がない。その分、ポリゴン数が稼げるというわけだ。また、舞台を首都高と限定することによって、コースのバリエーションをあえて増やす必要もない。すでにあちこちで指摘されていることではあるけれど、うまく考えたなぁ、と思う。
 で、肝心のゲームのほうですが、ゲーム系の掲示板を読んでいると車好きの方にも評判はいいようだし、車に興味のない自分にも楽しめるので、DCを持ってれば「買い」の1本でしょう。

 で、後者はようやくMacintosh版が発売された音声認識ソフト。Windowsユーザーにとっては今さらといった感じかもしれないけど、Macで使える音声認識ソフトは、MacOS9のボイスプリントパスワード機能を除けばこれが初めて。
 というわけで、さっそくインストールして起動。まずはエンロールと呼ばれるユーザーの喋り方・音声のパターンをコンピュータに覚えさせるための準備をする。これはあらかじめ用意された長文を読み上げるというもので、時間はかかるが、認識率が格段に向上する(らしい)。読み上げるのにおよそ10分ほどかかる文章が全部で4つ。さらに読み上げた後にコンピュータが分析処理をするのにそれぞれ10分程度。これが結構しんどい。なかなかうまく認識してくれず、何度も言い直すはめになったり、突然、マイクが声を認識しなくなったり何となく動作も不安定。
 ちなみに、今日の日記の最後の段落は、『ViaVoice』で入力したもの。しかし、まだコマンドを覚えていないせいか、えらく時間がかかってしまった。目標は、日記全文の音声入力。

 あと、テイ・トウワ火星』(マキシ・シングル)も購入。

6月23日(金)

 遊んでました。

6月22日(木)

 更新せずに沈没。

6月21日(水)

 すでにあちこちで話題になっている(らしい)ので今さらという感じですが、YAHOOオークションに「タイムマシン本物)」が出品されている。こちら。今までの事態の推移はこちらを見るとだいたいわかります。さて、結末はどうなることでしょう。

6月20日(火)

 1日遅れで「ビッグコミックスピリッツ」の話題。

 浦沢直樹20世紀少年』は作品全体を包んでいる馬鹿馬鹿しい雰囲気と事態の深刻さの齟齬が、逆にいかにもありそうな世界を作り出している。このままシリアスに徹さずに続けて欲しいものだ。たぶん、心配するまでもないと思うけど。

 高橋しん最終兵器彼女』は毎週欠かさずに読んでいるのだが、頭のどこかでこれをおもしろいと言ってはいけないと警告する声がする。というわけで「これはダメでしょ」ととりあえず言っておく。

 江川達也東京大学物語』は予想通りの展開。しかし、あの2人が互いに上半身に服を着たままというのはいかがなものか。

6月19日(月)

アメリカン・サイコ』はあとちょっと。読み始めるとおもしろいのだが、疲れているとなかなかページを開く気にならない。とはいえ、中断する気もないので、とりあえず今週中には読み終えるつもり。

 別に書きたいことがあるわけでもないのにモニタに向かって何か書かなくてはという強迫観念めいた衝動に突かれつつ結局どうということもない繰り言を記すにとどまることはわかっているのだが、どこからか何かが天啓のように降ってくるのではないかという幻想を抱いてキーボードを叩いているうちに時間は刻々と過ぎ睡眠時間は減少し寝て起きて寝不足でぼんやりした頭で仕事をして帰宅してネットに繋ぐという生活に自分でも辟易しながらそういう生活は一向に改まらず、これはつまり、ネット中毒ということなのだろうかと思いつつ日記を書いている今日このごろ

6月18日(日)

 友人のかっぱと地元をふらふらしてパソコンショップなどを覗いているうちに、前から欲しかったMP3の変換/再生ソフト『MacMP3』(act2)と、ようやく国内販売が開始されたスロット・ローディングタイプのiMac専用サブ・ウーファ『iSub』(harman/kardon)を気がつくと購入していた。iSubをご存じない方はリンク先を見ていただくとして、この透明なドーム型のサブ・ウーファは高さ258mm、直径232mmとかなりの大きさで、正直なところ置き場に困るのだが、とりあえずiMacの横に並べて置いている。聴き比べると、確かに低音の厚みが全然違う。しかし、まあ、所詮はメインのスピーカが本体内蔵なので(それでも、harman/kardon社がiMac専用に開発したスピーカだから、内蔵にしては音質はいいんだけど。そもそも冷却ファンが非搭載なので、ハードディスクが動いていなければほぼ無音だし)、iSubを買うという行為は果たして音質にこだわっているといえるのか、よくわからないよなぁ、などと思ったりする(ちなみにそらけいとしては、音質にこだわっているというより、これはもう物欲に負けた、としか言いようがない)。

 というわけで、さっそく手持ちのCDをいくつかMP3に落としてみる。AIFFに変換した場合と比べると容量が1/10以下というのはやっぱりすごい。しかも、少なくとも現状の環境で聴く限りでは音質の劣化はほとんどわからないレベル。インターネットでCDDBを参照すればわざわざ曲名とかミュージシャン名を自分で入力する必要もないし。
 ……て、こんなことで驚いているのはやっぱり「今さら」ですか?

 こうなると次に欲しくなるのはCD-R/RWドライブなのだが、とりあえず以下の条件を満たす製品が出るまでは待つつもり。
 1/Burn Proof対応
 2/FireWire対応
 3/Macintosh対応(まあ、ドライバがあれば別にWindows用でもいいわけだけど、やっぱり正式なサポートは欲しいしね)
 4/CD-Rの書き込み8倍速以上(1と2を満たしていれば、これはほぼ必然だと思うが)
 5/トランスルーセントなデザイン(これは絶対、ではないけど)
 あと半年は待つようかな……。ここは、メーカ各社の迅速な対応を期待したいところ。

 さて、6/15の日記の続き。
 話はようやく『ウェディング・ドレス』に戻る。
 ……つもりだったのだが、サプライズをより有効に機能させるための改善策がうまくまとまらないので、すみません、結論はもう少しお待ちください(誰も待ってないって?)。

 などといいながら、人から借りたくらもちふさこいつもポケットにショパン』(全3巻)を読む。この作品は今回が初読。
 この人の作品はいつも意味の変換が非常にうまく機能していて感心してしまう。たとえば、「麻子はシチューが得意です」という台詞。うまいなぁ。

6月17日(土)

 午後になってから帰宅。夕方になってまた外出。

 Coccoの『ラプンツェル』を購入。いや、でもこの人の曲って、1曲1曲聴く分にはいいんだけど、まとめてアルバムで聴くと気持ち悪くなってくるんだよな。胃のあたりが重くなってくるというか。……なぜなんだろう?

6月16日(金)

 予定外の外泊。うむむ……。

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