2000年7月1日〜7月15日

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7月15日(土)

 松浦寿輝芥川賞を受賞ですか。そいつはめでたい。早急に受賞作を含む第三作品集を出版していただきたい。頼みますよ。

 一方、直木賞金城一紀GO』が受賞。そらけいの感想はこちら。この小説、「本の雑誌」のベスト10(何の?)でも1位だったとか。

 両賞ともにダブル受賞だったのだが、町田康船戸与一については特になし。

 ENIX鈴木爆発』(PS)とNAMCOミスター・ドリラー』(DC)を購入。
 って、リンク貼ろうと思ってENIXのホームページに行ってみたけど、『鈴木爆発』なんてどこにも書いてないじゃん(7/15現在)。いいのか、それで?
 とりあえず、これから遊びます。

7月14日(金)

 恩田陸ネバーランド』読了。冬休み、学校の寮に残った4人の少年の話。男子高校生版『木曜組曲』かと思ったのだが全然違った。帯曰く「切なくほろ苦い青春ミステリの金字塔!」。これはミステリなのか? という疑問はさておき、こういう話、大好きです。やっぱり恩田陸は「学園もの」に限る。★★★★

 遅ればせながら幻冬舎の新刊の感想。

 まずは森博嗣女王の百年密室』。この人の作品はシリーズものも嫌いじゃないけど、独立した作品のほうが相対的に完成度が高い。物語の骨格そのものは非常にオーソドックス。主人公が「ルナティック・シティ」を語る言葉を通して、同時に主人公が属する世界を説明する手際はなかなか。「森節」ともいうべき会話は秀逸だと思うが(あれで引く、という人もいるみたいだけど、自分は割と好きです)、反面、改行を多用するモノローグは作者が意図するほどの効果をあげていない気がする。★★★

 西澤保彦依存』。ついに明かされる匠千暁の壮絶な過去、のはずなのだが、あまり壮絶な印象を受けないのは、作者が意図的に事態を図式的に描いているせいなのだろう。全般的に、いつもにも増して筆が滑りすぎている印象。まあ、そこがおもしろいんだけど。
 ただ、この作品は今までのシリーズとは違って、明らかに単独作品としては弱い。というか、シリーズの一編としてしか読めないというのは版元を分散して出している以上、まずいと思うのだが。
 しかし、シリーズものとして読めば、重要な作品であることは確か。最近、とみに記憶力が衰えているので、『スコッチ・ゲーム』の詳細がどうしても思い出せず、再読の必要を感じる。あと、これを機に未読だった『解体諸因』も読むことを決意。「別離編」ではどういう展開が待っているのだろうか。★★★

ジェット・セット・ラジオ』は現時点では間違いなく今年ベスト1ゲーム。現在、2周目をプレイ中。街の構造を覚えて、操作に慣れた2周目から本番といった感じ。

 矢井田瞳B'coz I Love You』を購入。「第二の椎名林檎」などと言われているようだが、確かに歌い回しはよく似ている。音はもうちょっとヘヴィでノイジーなほうが好みかな。

7月12日(水)

 西澤保彦依存』読了。感想は週末に。次は恩田陸ネバーランド』。

 8月までは更新が不定期になりそう。

7月9日(日)

 箱根の森美術館、強羅からケーブルカーで早雲山、そこからさらにロープウェイに乗って芦ノ湖へ。遊覧船に乗って元箱根まで行き、路線バスで箱根湯本に戻る。

 夜には新宿に戻ってから「眞路ガーデン」で焼肉。酒を少し飲む。

 疲れたので早く寝る。森博嗣女王の百年密室』の感想は近日中に。次は西澤保彦依存』。

7月8日(土)

 箱根に行く。心配していた天気も回復。宮ノ下にある個人経営の宿に宿泊。そこで飼っている犬が人なつっこくて、思わずデジカメで何枚も写真を撮ってしまう(画像を整理したら何枚かアップする予定なので、犬好きの方はお楽しみに)。夕食はイタリアン。酒を少し飲む。

7月7日(金)

 森博嗣女王の百年密室』読了。そして、『ジェット・セット・ラジオ』をクリア。
 明日は旅行だというのにこんなことしてていいのだろうか(いや、よくない)。
 しかし、まさか台風になるとは思ってもみなかった。

7月6日(木)

 恩田陸ネバーランド』と、うっかり買い忘れていた「小説TRIPPER」夏季号を購入。「小説TRIPPER」の特集は「ミステリからより遠くへ」。笠井潔のインタビュー、法月綸太郎×東浩紀の対談が読みどころ、なのかな? ざっと触りだけ流し読み。

 以前に同人誌で「ミステリから遠く離れて」と題した麻耶雄嵩論を中途半端に書いたことがあって、題が示すとおり、安直にも蓮實重彦の『小説から遠く離れて』の手法をそのまま『夏と冬の奏鳴曲』に援用したものなのだが、サイトにアップするべくリライトをはじめる。しかし、ほとんど全面的に書き改めることになりそう(また、例によって予告するだけで終わるという可能性も……)。

7月5日(水)

 村治佳織CAVATINA』『アランフェス交響曲』購入。伊藤園の野菜ジュースのコマーシャルに出ていたギター奏者の方です。前からCDが欲しいと思ってたんだけど、今日、たまたまショップで見かけて衝動買い。とりあえず『CAVATINA』を聴く。クリアなギターの音色が非常に気持ちいい。どちらかといえば、早弾きっぽい感じの曲が好みかな。ちなみに、CMで弾いていたのは、3曲目に収録されている「はちすずめ」という曲。

 阿部和重インディヴィジュアル・プロジェクション』の新潮文庫版を購入。これを機に再読の予定。初読の時は、後半〜結末の展開にかなり不満を感じた記憶があるのだが、具体的にどこが気に食わなかったのかは思い出せない。

 森博嗣女王の百年密室』はようやく半分くらい。

7月4日(火)

 トップページのデザインを変更する。前のほうが良かったという意見は無視するつもりだが、複数の人から言われたら戻すかもしれない。内容のほうはまったく変わらず。コンテンツとして未だに「TEXT」を残しているが、果たして中身はいつになったらできるのだろうか。「BBS」は、近日中に準備するつもり。

7月3日(月)

 森博嗣女王の百年密室』を読み始める。ああ、わくわくするなぁ、この冒頭部。典型的な「異邦人」による「越境」なんだけど、やっぱりある種の形式というのは非常に有効なんだと再確認。2ちゃんねるミステリ板にこの作品について麻耶雄嵩の『』みたいって発言があったけど、同じ構造なんだから当然ですね(少なくとも物語の導入部は)。てことは、もしかしたら真相も……?

7月2日(日)

 大信田麗フェイク!』読了。語り手の1人である女性ライターが逞しくてかっこいい。もう1人の語り手、「辣腕」男性編集者の独善的な「切れ者」ぶりも悪くない。しかし、肝心の失踪した作家・洞口に魅力が乏しく、ラストの切れ味が鈍い。「だからこの顛末がフィクションに書かれるとしたら、その作者は僕、洞口だということになる」なんて、そんなわけないでしょう。
 で、この作品のもうひとつの読みどころである実在の人物をモデルにした登場人物に対する批判部分は、うなずける部分も少なくないものの(書評の評価軸の単純さに対する指摘など)、ただ悪く書いているだけといった感じで芸に欠ける。★★★。

 映画『クロスファイア』の感想。小説にかんする不満点では、淳子と雪江が出会う前に話が終わってしまい、あの結末ではまだ話が半分だろ、と思ったことなのだが、その点はうまく消化してあった。しかし、後半の展開はまったく納得できない。映像的にも、やっぱり邦画はこの程度なのね、という諦念なくしては見られないレベル。炎に重なって淳子の顔が浮かびあがる演出とか、勘弁してほしい。あ、でも、刑事役の桃井かおりは良かったです。★★。

7月1日(土)

 深夜まで(といっても、午後11時だが)営業しているMac専門店として有名な「Mac駅」が市内にできたと聞きつけて、さっそく偵察に行く。
 が、残念ながらiMaciBookを取り扱っていない店舗だった(iMaciBookを販売できる店舗というのは、一方的にAppleが決めているという話を以前に雑誌の記事で読んだ記憶がある)。周辺機器の品揃えも今ひとつ。正直なところ、期待はずれ。しかし、アドテック製256MBのPC100メモリが30,700円で売っていた。そんなにまめにショップをチェックしていないので(秋葉原には行かないし)ほとんど根拠はないのだが、これは安い、と思って購入。「Mac駅」に行く前に買った「MacFan」に、メモリの価格は上昇傾向にあって、この夏いっぱいは続く、という記事があったこともその場で購入した理由のひとつ。iMac DVを購入した当初からそのうち256MBのメモリを増設しようと思っていたから、いつかはするはずの買い物だと自分に言い訳する。今までは標準の64MB+増設の128MBで計192MBだったが、これでようやく128MB+256MB=384MB(iMac DVにはメモリスロットが2つしかない)。もうメモリ不足の心配は皆無のはず。
 思い返してみれば、iMac DVを購入した時はメモリの価格が高騰していて、128MB増設するのに3万円も取られたんだよなぁ(遠い目)。

 大信田麗フェイク!』はようやく半分を過ぎたあたり。実在の作家、書評家をもじった名前が頻出するのだが、該当人物が思い当たらない名前が結構ある。……勉強不足?

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