2000年8月16日〜8月31日

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8月31日(木)

 というわけで引っ越しまであと10日を切ったわけだが、引っ越し先でのインターネット環境にばかり頭を悩ませているのは我ながらいかがなものかと思う。

 一応、フレッツISDNの導入を検討しているのだが、現在、使用しているHighwayInternetフレッツISDNをサポートしているのは都内では23区内だけなので、別のプロバイダを探さなくてはならない。どこがいいのだろう……?

 あ、8月28日の日記に書いてあった重大発表というのは、この引っ越しのことです。一応、掲示板のほうには告知しておいたんですが……。

 松浦寿輝花腐し』を発見。よし、続きを読むぞ。

8月30日(水)

 NECのダイアルアップルータ「COMSTARZ NEO」を溜まっていたさくらやのポイントを使用して購入。iMacに繋げるのだから、無骨なデザインのものは避けて見た目で選びました。色は当然ラベンダー。しかし、一番の理由は値段が安いということ(実売価格2万円台後半)。

 この買い物にかんするつっこみどころ
 ●まだISDNに加入していない
 ●所有しているパソコンはiMac DV(1999)1台のみ

 松浦寿輝花腐し』が部屋の中で行方不明になってしまったため、続きが読めなくて困っている。見かけた方はご一報を

8月28日(火)

ひたひたと」に続いて、芥川賞受賞作の「花腐し」を読む。まだ半分ほど。こちらは比較的オーソドックスな語りの小説。「文学界」に掲載されていた古井由吉との対談で、作者本人が自作を評して、前半はいまひとつだが後半は良い、という旨の発言をしていたが、少なくとも現在読んでいる前半部分は決して悪くないと思う。というか、かなり良い。このまま徹底していれば、芥川賞より直木賞向きの傑作ダメ男小説になるはずなのだが、実際には周知の通り芥川賞を受賞したわけで、逆に作者が良いという後半部分に対して一抹の不安を覚えてしまう(もちろん、芥川賞を受賞した一番の理由は掲載誌が「群像」だった、ということに尽きるのだが)。

 重大発表に対する知人の反応が皆無なことに落胆する。というか、誰も見ていないのね……。

8月27日(月)

 松浦寿輝花腐し』に収録されている書き下ろしの短編「ひたひたと」を読み終える。
 これは全然ダメ。中年の主人公の過去の記憶(のようなもの)が、明確に時間/段落を区切ることなく連続的に中年/青年/少年と主体が変化して語られるという趣向の小説なのだが、その部分の語りがあまりにもずさん。例えば、こんな具合に。

 榎田はいつの間にか力こぶの盛り上がった上腕にほっそり締まった腰をした若い男になっていたが、疲れたな、躯の芯まで疲れきったなという思いは中年男のものとまったく変わらないようだった。

 もちろん、巧妙に主体のすり替わりを書いている部分もある。それだけに、上記のようなあまりにも安直な書き方には落胆してしまう。こういう書き方をすることによって、せっかくの連続性が失われている。
 
主人公が見いだしたメタファに回収されてしまう幻想小説のような結末も大いに不満。単行本にするためにあわてて一本でっちあげたのだろうかと勘ぐりたくなるような作品。

8月26日(土)

 私事により9月中旬くらいまで(またもや)更新が不定期になります。申し訳ありません。

 更新しないうちにすでにネタとしては新鮮さを失ってしまったけど、ついに発表されたNINTENDO GAMECUBEIBMPowerPCATIのグラフィックチップ、松下のドライブ、CUBEという名前と本体の形状、取っ手。……さらに、GAMEBOY ADNANCEの本体カラーはiBookと同じバリエーションだし、任天堂Appleの間には何かあるんでしょうか?(←Apple信者の妄想
 具体的にはこんなところがすごいらしいんですが、そらけいには何が何やら。あ、でも、海外サイトにあるデモ画面を見る限りでは、結構期待できそう。

ドラゴンクエスト7』はどうやらどこも売り切れらしい(コンビニ数件見ただけだけど)。ネットでの評判はあまり芳しくない模様。しかし、そらけいはシリーズ最低といわれている『6』も結構楽しく遊べたので、とりあえず購入はするつもり。

8月23日(水)

 夏バテ気味。部屋にクーラーも扇風機もないのが原因か、やっぱり。

 佐藤亜紀鏡の影』をようやく読了。おもしろいんだけど、特に前半は「お話」としてのわかりやすさに欠けるきらいがあるし、キャラクタの造形というか場面ごとの印象が結構ころころ変わるので、いささか読み進むのに苦労した。オチの意味もまったくわからない。個人的には長編のベストは『戦争の法』で、次いで『モンティニーの狼男爵』と『1809』。
 佐藤亜紀の小説については、ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー直後(1991年)に『バルタザールの遍歴』を読んだ時には正直なところあまりおもしろいとは思わなくて(当時は優秀賞を受賞した沢木稟リフレイン』のほうがおもしろいと思った)、その後、文庫で『戦争の法』を読んでファンになり、『略奪美術館』、『陽気な黙示録』、『外人術』といったエッセイ集も含めて読み漁った(でも、『鏡の影』は途中で挫折。『1809』と『外人術』をリアルタイムで読んだ覚えがあるから、1997年ごろ?)のだが、『バルタザールの遍歴』は再読したらまた違う感想を持つかもしれないと思いつつ手をつけていない。

 次は松浦寿輝花腐し』を読む予定。

8月20日(日)

 地元の映画館でリュック・ベッソン製作・脚本、ジェラール・クラヴジック監督『TAXi2』を観る。前作は未見だけど、徹底した馬鹿っぷりが爽快な娯楽映画。パリ市街を舞台に、スピード狂のタクシー運転手が操るプジョー406と、日本のヤクザが操る三菱ランサーエボリューションVI(なぜか千葉ナンバー)が繰り広げるカーチェイス。外国人がイメージする日本人像をギャグとして表現しているあたり、初めから日本人の観客を意識しているとしか思えません(ヤクザの組長の背後にいるゲイシャとか。ニンジャがヌンチャクを使うのはちょっと微妙な感じですけど)。
 必見! というわけで★★★★(主人公のキャラクタが弱い……というか、明らかに脇役に食われているので減点1。他の役者はきっちりとはまっているけど、サミー・ナセリだけは浮いている気がするのは自分だけ?)。

 まったく余談ですが、セガの『CRAZY TAXI』ってやっぱりこれの前作が元ネタなのかな……?

8月19日(土)

 銀座に行く。
 SONY PLAZA
で動いている生AIBOを初めて見る。子供がAIBOを横倒しにしても、ちゃんと自分で起きあがってくるのには驚いた。
 動きのぎこちなさが気にならなくなればかわいく思えるのだろうか。
 話題のSONY製PalmOS互換機CLIEの実機展示は来週8/23から。モックアップすら置いていない。う〜ん、残念。

 で、わざわざ銀座まで何をしに行ったのかといえば、ここで夕食を食べるため。
 今回、食事をするために予約をしたのは、何と1年2カ月前(自分が予約したわけじゃないんだけど)。イタリアンの3800円のコース(前菜・パスタ・メイン・デザート)を食べるために、1年以上も待つというのはどう考えても普通じゃない。
 そらけいが頼んだのは、魚介類のサラダ、にんにくと唐辛子のパスタ、豚肉のグリル(バルサミコソースがけ)、プリン。連れ(というか、自分が連れていってもらったわけだけど)は、タコとセロリのサラダ、牛頬肉の赤ワイン煮込みソースのリガトーニ、オックステールシチュー、ガトーショコラ。あとはアルコール(そらけいはワインが飲めないのでジンソーダ)と食後のコーヒー。
 前菜に入っていたタコは絶品。これを食べた瞬間は、確かに1年先まで予約が埋まっているのもうなずけると本気で思ったほど。茹でたタコをそのまま煮汁と一緒に冷やしたらしく、煮こごりのようなゼラチン状のものに包まれていて、歯ごたえがあるのにやわらかい。◎(2重丸)。
 しかし、残念ながら、あとの料理は正直なところ期待はずれ。にんにくと唐辛子のパスタは×、豚肉のグリル(バルサミコソースがけ)は○、プリンは△、牛頬肉の赤ワイン煮込みソースのリガトーニは○、オックステールシチューは△、ガトーショコラは△といった感じ。選んだ料理が悪かったのだろうか。まあ、そんなに舌が肥えているわけじゃないから、こっちの味覚がずれている、という可能性は否定できないのだが(というか、予約待ちを気にしなければ普通においしい店ではある)。
 予約のシステムが変わったらしく、来年1月の予約は今年の9月(日付は失念。確か日曜日だった)から受付開始らしいので、いくら待ってでも食べてみたいという方は1回くらいは行ってみてもいいんじゃないでしょうか(←えらそうだね)。そらけいは1回で充分ですが。

8月18日(金)

 加藤元浩Q.E.D.』7巻を購入。今回は「MIT(マサチューセッツ工科大学)出身の各分野における最高の頭脳が、数学上の重要な記号になぞらえて次々と惨殺されていく」(帯より)ホワイダニットの秀作「Serial John Doe」と、3人の容疑者のうち金を盗んだのは誰かというシンプルなフーダニットの小品「憂鬱な午後」の2本立て。
 どちらもよく考えられていて、非常におもしろい。これで、もうちょっとケレン味があれば、もの凄い傑作になったかもしれないのに(特に前者)。まあ、このストイックなところが持ち味といえば確かにそうなんだけど。

8月17日(木)

鳩よ!」9月号と松浦理英子ポケット・フェティッシュ』(エッセイ集/新書版)を購入。

鳩よ!」の特集は魚喃キリコ。ここ10年くらいの「ガロ」出身者としては、もっともメジャーになった漫画家ではないでしょうか(あ、ねこぢるがいるか)。
 ちょっとぎこちないけどしっかりした描線。明暗のはっきりした画面。目の粗いスクリーントーン(10〜30線くらい?)。横顔とうなじと少し丸まった背中のライン。淡々とした描写ももちろん好きだけど、やっぱり何といっても絵が良いです。
 記事中、一番の(というか、唯一の)読みどころは矢崎仁志(映画監督。代表作は『三月のライオン』)との対談。言われてみれば、確かに『三月のライオン』と魚喃キリコの漫画は似ているかもしれない。
「(前略)『南瓜とマヨネーズ』は物語を人物を追いかけていったという印象がある」という矢崎仁志の『南瓜とマヨネーズ』評は実に的確。
 矢崎仁志は新作『花を摘む少女と虫を殺す少女』が秋に公開予定ということで、これは観に行くしか。

 で、他の特集記事はといえば、同性による共感、みたいな主題のエッセイが数本と、過去の漫画の再録と作者の日記公開といったもので、こちらは特に興味をそそられなかった。あ、でも安彦麻理絵の「チャッカマン・魚喃」のイラストはちょっとおもしろかったかも。

 特集の他にも、香山リカによる金井美恵子彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』の書評とか、恩田陸による『ネバーランド』の自作解説とか、割と読みどころは多いのだが、中でも一番のヒットは、柿沼瑛子ジム・トンプスンポップ1280』を評して書いた「ハイスミスの非情+赤塚不二夫みたいな不条理」という一文。

 松浦理英子ポケット・フェティッシュ』については未読のためまた後日。

8月16日(水)

 夏休みは今日まで。すっかり昼夜逆転の生活。夕方ごろ起き出す。

 2ちゃんねる家庭用ゲーム板グランディア2スレッドをだらだらと見ているうちに、何となく続きをやってみようかという気分になり、ドリームキャストの電源を入れる。
 前作のシステムを引き継いだ戦闘はやっぱり楽しい。RPGにおけるコマンド入力型の戦闘システムとしては、最も進化した形態だと思う。詳細は割愛するが、時間の流れとフィールド上の位置関係が重要で、いかに敵に攻撃させないか、いかに効率よく敵にダメージを与えるか、プレイヤーは戦術を考える必要がある(もっとも、戦闘のバランスは総じてぬるめなので、そんなことを考えなくても先に進むことはできる)。
 とはいえ、前作と比較すると、総じて小粒な印象は拭えない。町や建造物、室内の作り込みは相変わらず細かいが、演出としての細部、生活感の表現はいささか物足りない。個人的には前作の「冒険活劇」というコンセプトがストライク・ゾーンだったので、今作の方向転換は少し残念。

 現在は佐藤亜紀鏡の影』を読書中。

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