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■2003年9月16日〜9月30日


9月25日(木)
 古川日出男『サウンドトラック』読了。たいへん楽しかった。しかし、これはどう考えても「青春小説」ではないと思うな。

 いくつか不満な点もあって、結末部分は確信犯的に書き飛ばしているんだとは思うけど、個人的にはもっと分量のある文章で読みたかった。あと、主人公の1人であるトウタの結末の台詞は何となくピントはずれな印象で、せっかくのラストシーンが台なしとはいわないまでも、ちょっともったいないなぁと思った。

 後日、もう少し詳細な感想を書く予定。とはいえ、例によって書かずじまいになるかもしれない。

9月23日(月)
 何となく中断していた古川日出男『サウンドトラック』の続きを読みはじめる。まだ半分を過ぎたところ。『アラビアの夜の種族』の作中作の世界観を現代日本に置き換えたような作品……というと語弊があるかもしれないけど、これは一種の「ファンタジー小説」だと思う。初期の作品は未読なので以前からこの作家の書き方がそうなのかは判断できないんだけど、三人称の記述ながら、あきらかに「話者」の存在を感じさせる語り口(といっても、露骨に「話者」が顔を出すわけではなく、あくまで表面上は三人称の記述スタイルを維持している)で、それが物語に独特の躍動感を与えている。
 すごくおもしろい。

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