長崎県対馬地方と大韓民国編

プロローグ

紆余曲折の末

私は、例年2回大きな旅行をしている。
ひとつめが、2〜3月ぐらい。もうひとつが9月ぐらい。要するにこのあたりは、学生時代に長い休みに入っていた時期だからなのだが、社会人になっても一貫してこのスタイルであった。
ということでこの年も3月上旬ぐらいに大きな旅行を考えていた。

ところが意表をついて2月中旬にイレギュラーな人事異動があった。今まで年度とあまり関係のない仕事をしていたのが、新しい職場は逆に年度末の処理でてんてこ舞い。とても旅行など行っている状況ではなく、あえなく計画が頓挫してしまった。

そうやってあっという間に4月になった。前年9月の南米旅行以来、この時点で1泊ぐらいの国内旅行すら行っていなかった。これは私としてはかなりの異常事態である。
そこで、ゴールデンウィークを迎えてしまう前に区切りをつける意味でも、私にしてはちょっと短めの遠距離旅行をすることにした。
3月ぐらいの業務多忙なころ、時間ができたら行ってみたいプランが腹の中にあった。それを実践してみることにしたのである。

それは対馬から釜山に、フェリーで渡るというものである。
これを軸に、行ったことのない対馬の島巡り、ソウル近郊しか乗ったことのない韓国国内の鉄道乗車、さらには韓国プロ野球観戦とどんどん肉付けをしていった。

1ヶ月以上前から調整してやっととれた土日入れて5日間の休みの中で、対馬−釜山のフェリー、釜田−清涼里の長距離鈍行、ソウル−釜山の看板列車セマウル号と押さえたい乗り物がいくつもあって、結局対馬といっしょに行きたかった壱岐島は断念した。また韓国プロ野球の日程ともうまくかみ合わなくて、帰国前日はソウルから釜山に行ってまた大邱に戻ることにもなり、我ながら全体的にかなり完成度の低い旅行になった。

 

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