長崎県対馬地方と大韓民国編

旅行第1日目 その2

対馬北部をドライブ

昼食を終え、ちょうど12時過ぎに空港を出発する。
3分も走ると島を南北に貫く国道382号線に出る。この道を南の方向に走る。

10分も走ると、万関橋というアーチ橋がある。
対馬は、北と南で「上対馬」「下対馬」と2つに分かれている。ただし細かいことを言えば、明治33年まではひとつの島であった。当時の海軍が、軍艦を通せるように開削瀬戸を作ったのである。この万関橋は戦後になってその部分に架かった橋で、現在のは3代目らしい。
この橋のたもとはちょっとした公園になっている。ただしそこからは肝心な橋が見えない。ちょっと国道を外れて橋が一望できるところまで寄り道したりする。



万関橋。
左側(北側)が上対馬で右側(南側)が下対馬
 

対馬空港やこの万関橋のある美津島町から、となりの豊玉町に入る。豊玉町内で、レンタカー会社の人から「ここは見た方がいいですよ」といわれていた和多都美神社というところに立ち寄る。入江に面したこの神社は、鳥居が海の中にある。広島にある宮島神社がここを模して造られたという話である。



和多都美神社の海の中の鳥居
 

そのちょっと先にある烏帽子岳と言うところにも行く。山頂からは、特にぼこぼこしているこのあたりの山並みが一望できる。



烏帽子岳からの景色。
対馬は全島がこんな感じである。
 

豊玉町内からはひたすら国道を北上する。
とにかく対馬は地形が複雑な島で、国道もくねくねとした山道がひたすら続く感じで、直線区間がほとんどない。そうでなくても大きな島だから、地図で見た感じよりも時間がかかる。

 

韓国展望所

豊玉町から峰町、上県町とすぎて、上対馬町に入る。ここで国道から外れ、鰐浦という集落にあるその名も「韓国展望所」に着く。
さっきの烏帽子岳から約60km、1時間15分かかった。

ここは島内の北端に近いところで、韓国まで約50km。もちろん、日本本土より韓国の方が大幅に近い。
小高い丘のてっぺんにある韓国風建物の展望台からは、天気がよければ釜山方面が見えるらしい。が、今日は曇っていて視界もあんまりよくなくて、見ることはできなかった。



釜山方向を眺める。
残念ながら何も見えませんでした。
 

この展望台の中には歴史や交通や文化といった様々な展示がしてあったが、そのすべてが日本語と韓国語の併記であった。
展望台の周りは芝生になっていて、そこにあったベンチでは10数人のグループが休憩していた。よく見たら韓国人のグループだった。
見学を終え帰ろうと思った頃、観光バスがやって来て団体さんが降りてきたが、これがまた韓国人の団体さんだった。日本人観光客もいないわけではなかったが、圧倒的に韓国人だらけの場所であった。いかに対馬に来る韓国人が多いかということであろう。

 

対馬北部ドライブの続き

ここからさらに道なりに行くと、上対馬町の中心地・比田勝に着く。比田勝の町そのものはあまり大きくない。
国道の終点付近にフェリーターミナルがある。厳原と並んで、博多・小倉方面だけでなく、釜山からも船がやって来るところである。

比田勝からの戻りは、どちらかというと西側の山中ばかり通っている国道ではなく、東側の海岸線に近い県道を走ることにした。
こちらも相変わらず道はくねくねした山道ばかりであるが、たまに漁村のようなところに出る。ただし幹線道路ではないので、ややひなびた感じはする。しかも途中道が完成していない部分があって、ここは細い脇道のような区間がかなり長くある。

比田勝から1時間以上そんなところを走り、途中そんな中でも比較的大きな峰町の佐賀という集落の漁港に、休憩ついでに立ち寄った。
漁船がたくさん並ぶ絵に描いたような光景であった。



こういうところでした

 

厳原にて

その後道は国道に合流し、昼に通った万関橋や空港の近くを通って、厳原町の中心地・厳原(いずはら)に入ってくる。比田勝から休憩時間を除いても2時間くらい走り続けていたことになる。

厳原は実質的に対馬という島の中心地となっている。久しぶりに大きな町だな、という感じがする。

町の中心部は中央を細い川が流れ、その両岸が並木になった石畳の道が通っている。まるでどこかの温泉場のような感じなのだが、実はこのうちの東側の道が国道である。そこを通り過ぎると港がある。
ただし、この道は地元の生活道路という感じで、実際にはそのちょっと外側を走っている県道が幹線道路のようになっている。



町の中を流れる川。
この左側の道がなんと国道なんです。
 

今日の宿はその川沿いにあった。
ロビーの周辺は韓国人だらけであった。どうも団体さんが泊まっているらしい。明日の韓国入りを前に、早くも韓国にいるような雰囲気である。
厳原に着く頃、雨が降り出してきた。かなり本降りだったので、ガイドブックにも書いてあった宿のレストランに入ろうとする。が、その韓国人の団体さんに占拠されていて入れず、雨の中町に出て、郷土料理店で魚介類いっぱいの定食を食べた。

 

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