長崎県対馬地方と大韓民国編

旅行第2日目 その2

厳原から出国へ

お昼になったので、泊まったホテルの斜め向かいにあったスーパーで弁当を買い、フェリーターミナルの下見も兼ねてその待合室まで行って食べる。私の乗る釜山港行きの船の出航までまだ3時間もあるが、ここにある船会社の事務所で乗船手続きを済ませてしまう。

それから、20分ほど走って空港の近くにあるレンタカーの営業所まで車を返しに行く。精算を済ませた後、再びレンタカー会社の送迎車に乗って港に戻った。

営業所に30分くらいいたので、フェリーターミナルに着いたのは14時近かった。
そしてこれからいよいよ船に乗って韓国へ向かう。

厳原のフェリーターミナルは2階建てになっていて、1階が切符売場で2階が待合室になっている。ただし、釜山への国際航路を運営している会社の事務所が2階にあり、釜山行きに関してはその事務所内で手続きする。フェリーターミナルに隣接して出入国事務所があり、2階待合室のそちら側の壁の向こうに審査場がある。「出国審査の開始は15時から」と書いてあり、それまで審査場の間の扉は閉まっている。



岸壁側から見たフェリーターミナル
中央から右側が出入国審査を行う建物になっている
 

時間が経つにつれて釜山行きの乗客がぞろぞろ集まってきた。そのほとんどが韓国人の団体さん。少なくとも観光ツアーと釣りツアーの2組(1組あたりの人数がすごく多い)いる。この週末を使ってやって来たのであろう。一方個人客、ましてや日本人客は数えるほどしかいない。

15時、審査場への扉が開き、出国手続きが始まる。その手前に船会社の係員がいて、ここで改札。考えてみればこの係員は出国しないわけだから、こういうことになる。
手続きが終わると1階から建物の外に出て、岸壁に泊まっている船まで歩く。そこはただの岸壁なのだが、法律上は出国したことになるので、その通路はきわめて簡素的ではあるがロープで囲われていて、一応警備の人が立っていた。

 

釜山行高速船シーフラワー号



厳原港にて
 

そこから乗り込んだのは韓国船籍の高速船シーフラワー号。今日はあまり混んでいないらしく船内は自由席で、中央付近にはマス席もあった。
船内には韓国の歌謡曲がかかっているし、船内の客はほとんど韓国人だし、早くも韓国に来たような雰囲気である。出航前、船内の非常用設備の案内のビデオが映ったが、これもすべて韓国語であった。



そのチケットです
 

審査が早く終わってしまったのか、定刻より5分早く、15:15に出航。
厳原港の外に出ると、海がけっこう荒れていて揺れる。その頃、船長さんのあいさつがあり(韓国語のあと日本語でも言った)、今日はこういう状態なので少しスピードを抑えて航行するとのことである。

出航してしばらくは、左側にずっと対馬の島影を見ながらの航行となる。というのも、厳原は対馬の中でも一番釜山から遠い港で、対馬の周りをほぼ半周しなければならない。
釜山〜対馬の航路は現在週4便あり、ウイークデーの2便は比田勝発着、週末の2便は厳原発着となっている。比田勝発着だと逆に釜山から一番近い港なので、厳原発着の場合と所要時間が1時間以上違う。

船内には売店があり、特にコーヒーがよく売れている。値段は100円もしくは1,000ウォン。ほとんどの人が1,000ウォン札で買っている中、私だけ100円玉を出す。価値はほぼ同じなのに、なぜか私だけ得した気分だったりする。

航行中は船内に映画(洋画で韓国語の字幕スーパーがついていた)が上映されていた。私は洋画にはまったく疎くてよくわからないのだが、ハイジャックものの内容で、特にクライマックスのシーンでは船内の客がほとんど釘付け状態で見ていた。それが終わる頃、韓国の陸地が近づいてきた。

 

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