長崎県対馬地方と大韓民国編

旅行第5日目 その1

釜山行きの優等高速バス

いよいよ最終日。行きと同じく船に乗って韓国を後にする。

まずは今泊まっている大邱から、昨夜切符を買っておいた高速バスに乗って釜山に向かう。
韓国においては、日本以上に鉄道とバスの競争が激しい。路線のきめ細かさや本数の多さではバスの方が勝っている。一方の鉄道はスピードとダイヤの正確性というところか。
今まで鉄道ばかりにこだわってきたので、一度は長距離バスに乗ってみたいと思っていた。

6:30ホテルをチェックアウト。すぐ後ろ側にある東洋バスターミナルへ行く前に、その近くにあるコンビニで朝飯を調達。今朝も今ではすっかり好物となった韓国のり巻きを買う。



東大邱・東洋高速バスターミナル
 

私が乗る6:50発の釜山行きは『優等高速バス』と呼ばれている種類である。
一般に韓国内を走る長距離バスには、
『優等高速バス』 『高速バス』 『市外バス』 の3つがある。このうち『優等高速バス』『高速バス』の2つは座席指定制で、一方『市外バス』はどちらかというと「長い距離を走る一般路線バス」という感じである。
大邱〜釜山の路線にはこの3つの種類ともあり、庶民的な雰囲気が味わえそうな「市外バス」が大変魅力であったが、出発地がここではなく大邱市の郊外にあり、おまけに本数が少なくて時間がかかりすぎることがネックとなって、結局今回は一番リッチな「優等高速バス」にした。
ただし、「優等」とつくぐらいで値段はかなり高く、大邱〜釜山で9,000ウォン。これは、同区間の鉄道のセマウル号一般室と特室の中間ぐらいの値段である。

ちなみに時刻や値段の情報は、すべて韓国の時刻表『シガッピョ』に書いてある。日本でも入手できるが、当然韓国人向けに作られている本なので、特にバスのところはハングルで地名ぐらい読めないとお話にならないのであるが、逆に私はこれがハングルを読めるようになるいい教材になった。

東洋バスターミナルのバス乗り場には、何台かのバスが停まっていた。一般の「高速バス」は、2+2列で日本でもよく見かけるタイプなのに対し、「優等高速バス」は1+2列で、列の前後もかなりゆったりした配列である。



釜山行きの優等高速バス
 



そのチケット。
インクが薄くてわかりづらいですが、距離が135.1kmとか書いてあります。
 

しかし6:50発釜山行きのバスには9人しか乗っていなかった。私の席は前から3番目だったが、後ろの方ががら空きだったので一番後ろの列に移動。以降ゆったりと過ごす。



優等高速バスの車内

 

大邱から釜山へ

定刻通り6:50出発。
まだ車通りの少ない市内を郊外方向に走っていき、7:05に「東大邱」インターチェンジから高速道路に入る。

このときはどの道を走っていたのかわからなかったが、釜山に到着した後の位置関係から見て1号京釜高速道路を走っていたらしい。
沿道の景色は日本の高速道路とあまり変わらない。中央分離帯は日本のように植樹帯になっているわけではなく、ずっとブロックが並んでいるだけ。周囲との境目もしっかり仕切られていないところがあって、あれではインター以外から入ることもできそうな感じである。
韓国の高速道路では、有事の際に飛行機が離発着できるように所々中央分離帯のないのっぺりとした区間があると聞いていたが、少なくとも私が通った区間はそのようなところは見受けられなかった。考え方が変わったのだろうか。



バスの一番後ろから撮影してみました
 

そういうところを淡々と1時間ちょっと走り、分岐があって「釜山」インターチェンジで一般道に降りる。



釜山のインターチェンジ
 

ここからバスターミナルへ向かう道沿いには地下鉄が走っているようで、最初高架だったがやがて地下にもぐる。市内方向に向かっているのかと思ったら逆で、郊外方向に走っているのであった。
途中、斗実(ドゥシル)という駅のバス停に停まる。半分以上の客がここで降りた。

 

釜山の地下鉄に乗る

8:26、終点の老圃洞(ノポドン)バスターミナルに着く。
実は私の持っているガイドブックが古くて、釜山の高速ターミナルは別のところに書いてある。どうも最近ターミナルがここに変わったらしい。心なしか新しくて広いターミナルである。ビル内には飲食店やコンビニがたくさんある。

ということで、着いた時点ではここがどこなのかよくわからなかった。しかし、歩いていくと地下鉄の駅と併設していることがわかった。地下鉄1号線の北方の終点・老圃洞(ノポドン)駅であった。

老圃洞駅から、釜山の中心部方向の電車に乗る。数駅地下区間を走った後、高架区間になる。さっきバスから見えた高架はこのあたりだったようである。



高架に出たところで途中下車して撮った写真
 

この高架区間がけっこう長くて、思いがけず釜山の市内を眺めることになった。そろそろ朝のラッシュも終わってくる頃だが、進むごとに車内はどんどん混んでいった。
やがて再び地下にもぐった。昨日降りた西面(ソミョン)駅をすぎ、釜山駅もすぎて、中央洞(チュンアンドン)駅で降りる。老圃洞駅から約40分。
3日前、対馬から釜山に着いたとき、この駅まで歩いたのであった。今日はその逆のコースで港のフェリーターミナルへ歩く。

 

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