離島シリーズ
長崎県五島の島々

 

●中通島(なかどおりじま)

五島列島の真ん中にあって2番目に大きい島の中通島。有川町、新魚目町、上五島町、奈良尾町、そして若松町の5町かならっていたが、平成16年8月にすべて合併され、若松島といっしょに新上五島町となった。
島の北側にある有川港には長崎と佐世保から、南側にある奈良尾港にも長崎から船がやってくる。この島だけ長崎・佐世保の双方から船で行けるのである。
そして島の東端には上五島空港があり、長崎空港と福岡空港から9人乗りのBN−2型飛行機がやってくる。

 

若松島を1周した翌日、若松大橋を渡って中通島に戻る。
中通島は南北に長いおおよそ十字架の形をしていて、反時計回りに1周した。この島も起伏が激しく、島を1周する道は峠道のようであった。



島の南方にある米山展望台から見た奈良尾町内
 

島内には教会が多い。さすが隠れキリシタンの本場(?)である。ガイドブックにも多くの教会が案内されている。
しかし、それらは信仰の場であって決して観光用のものではなく、道にはっきりとわかるような標識があるわけでもない。それでなくても1人でドライブしていて、運転中は地図を見れない身としては、ほとんどそれらに気付かず通過してしまったのであった。

中通島の味としては「五島手延べうどん」がある。この日のお昼は有川町内のうどん専門店に入った。もちろんおみやげにも購入。
この日の早朝発生した阪神大震災の被害状況がだいぶ明らかになってきていて、店内の客はほとんどテレビ映像に釘付けであった。

昼食をとったあたりがちょうど十字の付け根付近で、そこから島の最北端・津和崎まで直線距離で約20km、道がくねっているので車で50分もかかって行く。
この津和崎からは、3日前訪れた小値賀島が目の前に見える。なんだか、同じところを行ったり来たりしているような気がしないでもない。



津和崎のとったん
左側にかろうじて小値賀島が写ってますね
 

島の南端と北端を極めたところで、東端にある上五島空港へも行った。実際には橋を渡って頭ヶ島という島にある。
ここで、今回乗れなかった長崎航空のBN−2型飛行機を初めて目撃した。

この日の宿は、有川町(当時)のほぼ中心部にある民宿であった。素朴ではあるがかなり大きな町で、宿の向かいには飲み屋が3軒並んでおり、夜中までけっこう騒がしかった。

 

翌日は奈留島に向かうため、有川からバスに乗った。
中通島を走る路線バスは、営業所のある青方(ここに現在新上五島町の役場がある)というところを中心に走っていて、特に青方と有川を結ぶ路線は本数も多い。
そのうち数本は青方を経由して南端にある町・奈良尾まで行く。
さらに午前中の1本だけは青方経由で郷ノ首というところまで行き、郷ノ首港から出航する奈留島経由福江島行きの船に接続していた。私はこれを利用したわけである。

 

(後日談)

中通島には、この年の秋にもう一度訪れている。目的は1月の旅行で乗れなかったBN−2型飛行機に乗ること(笑)。
ちょうど九州の近くに来る予定があったので、大幅に寄り道して 福岡空港→上五島空港(中通島)→長崎空港 と飛んだ。
定員が9人ということであるが、中身は2人シートが5列、そのうち1人分はパイロットが座るので残った9席が客席なのであった。
つまり、運がよければ助手席に座れるのである。私はその運には恵まれなかったけど。
「本土と島とを結ぶ」という使命で飛んでいるのだが、ほとんど遊覧飛行のような世界であった。



因縁のBN−2型飛行機
 

そのときもせっかく中通島まできたので、1月の旅行ではほとんど素通りしてしまった感じの青方までバスで行き、ぶらぶら散歩していたのであった。

 

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