離島シリーズ
小笠原諸島

小笠原諸島父島 前半戦

私が訪れたのは2月初旬という一番のオフシーズンと思われる時期。しかし直前に船がドック入りしていて2週間ぶりの就航だったので、竹芝桟橋は結構混み合っていた。あとで聞いた話では普段のこの時期の2.5倍くらい乗客がいたようである。



竹芝桟橋のターミナルビル。
この時期にしてはかなり混んでいました
 

ほぼ定刻通り、10時過ぎに出航(これは現在も変わらない)。


 

2等船室はホントにザコ寝状態だったので社会人1人旅の金にモノを言わせて1等船室に変更。指定されたのは3人部屋で、残る2人は東京都の小笠原支庁の人たちであった(出張帰りのようだ)。しばらくすると別の部屋にいた小笠原支庁母島出張所の2人(そのうちの1人が所長さん)もやってきて、いろいろ話をした。
父島での宿もまだ決めていなかったので、その人たちからいろいろ情報を得て決めた(正解であった)。

午後、東京湾から太平洋に出た。とともに、船が揺れ始める。本当にすごい揺れで、船酔いしている人がかなりいた。
それからは特にやることもなく、食事・寝る・テレビを見るのどれか。船内は衛星放送を見ることができた。

 

翌日は前日より海は凪いでいたのでほとんど甲板にいた。といっても四方完全に海である。

お昼をすぎ、小笠原の島々が見えてくると、海がまた荒れてきた。この船に接続している母島行きの船がこの海の状態のため欠航になるという船内放送があり、母島出張所の人たちは「どこに泊まるべぇか」などと話し合っていた。

ずっと向かい風の中を進んでいたので、定刻より遅れて、14:55に父島の東町集落から少し外れた二見桟橋着岸。
(ちなみに現在の定刻は11:30)。



二見桟橋に着くところ。
すごい数の出迎えでした。
 

港に来ていた紹介された宿の人に連れられて、宿に着く。個人客・グループ客・食事付き・自炊といろんな客がいて、そうでなくても2週間ぶりに船が着いて久しぶりの客なので、宿のおじさんも頭が混乱しているようだった。

宿があったのは大村という集落。集落の中央に村役場・小笠原支庁・警察・郵便局のある太い通りがあり、この道を境に行政区分上東町と西町に分かれている。この太い通りと直角に両町を突っ切るメインストリートには両側にヤシの木が植えてあり、「南の島」という雰囲気である。



大村集落のメインストリート
 

集落内を散歩していると、スーパーがあった。久しぶりに船がやってきて、食料品も届いたとあって、大混雑しているようであった。

 

3日目(滞在2日目)。天気は快晴で、気温は暖かく、湿度は低く、非常に快適で、2月上旬であることを忘れる。
朝食を終えると、釣りに行く人、ダイビングに行く人などいろいろいるが、残った人たちは宿のおじさんの案内で島を1周することにした。

父島は大ざっぱに言って西側に二見湾を抱きかかえるように「C」の字をひっくり返したような形をしていて、役場等のある大村集落はその一番北方にある。そしてこれまたおおよそ山地が東に寄っている。島の南側1/3くらいを除いて1周できる道路がある。

島を時計回りに回ったので、最初はずっと東側の山道である。ループトンネルまであるすごい坂道である。途中となりの兄島が見える長崎展望台、島で2番目に高い(308m)夜明山で景色を眺める。



夜明山から二見湾方向を見る。
向こうの方に大村集落が見える。
 

一方、西側は海に沿った道である。その南寄りにあるのが小港海岸。日差しは強く、波は静かで、これは十分海水浴ができる。実際に海水浴している人もいた(繰り返すが2月上旬である)。



小港海岸
 

宿に戻る前、「ダイビングをしたい」という人がいて、ダイビングショップに立ち寄る。今日午後のホエールウオッチングのチケットを売っていて、衝動的に買って行くことにした。

昼食は宿の近くにある島ずし(シマアジのしょうゆ漬けを握ったもの)の店に入った。ワサビではなくカラシで握る寿司であったが、なかなか美味であった。 

そして午後は衝動的に行くことになったホエールウオッチング
本日のホエールウオッチングの船は15時出航。漁船のような船が3隻で、ほとんどいっぱいのようであった。
天気は穏やかで風もないのに外洋は荒れていた。しかし、みんな真剣にクジラを探していて、酔うどころの話ではない。だいたいあの手の船で、客が何もしゃべらないのも一種異様な光景ではある。
クジラは海面に出て2〜3回潮吹きしたあと、ズボっと深くもぐるそうで、その時にシッポが見える。私も結構な回数、この潮吹きとシッポ、ついでに頭を上げて飛び込むところも見た。特に20mくらいの距離で見たときは驚いたが、さすがにクジラはでけぇなあ、と実感した。



いやあ、突然目の前に現れたのでびっくりしました…
 

戻ってくるのに2時間以上かかったが、全く長く感じなかった。戻ってきたのは夕方近かった。

夕食後、宿のおじさんが「グリーンぺぺを見に行こう」と言った。グリーンぺぺとは光るキノコみたいなもので、雨が続いたあとのジメジメしたときに生えるそうで、昨日結構雨が降ったのでひょっとしたらあるかも知れない、とのことである。
今回は宿泊客全員で行くので、3台のワゴン車に分乗して出発。1台目は宿のおじさん運転、2台目はおじさんの友人運転、そして3台目の運転はなぜか私。
しばらく海岸沿いを走って、その後山の中に入り、しばらくして停車。あたりは明かりが全くなく、真っ暗であった。宿のおじさんが懐中電灯片手に林の中に入っていき、しばらくして出てきて、それらしきモノを路上に置き、「いいか、見てろよ」と言って懐中電灯を消した。すると、見事に蛍光緑色に光るグリーンぺぺであった。一同「おぉーっ!」という声を上げた。

 

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