離島シリーズ
奄美諸島の島々

 

奄美諸島への行き方はいろいろある。
鹿児島県に属しているだけにやはり鹿児島からのフェリーや飛行機の便が数多くある。また、東京や大阪から沖縄へ行くフェリーが途中奄美諸島に寄港している。奄美大島に関しては、東京と大阪から飛行機の直行便もある。
ということで、時間の制約が大きい社会人の私としては東京からの直行便で行くことにした。

奄美諸島をどの順番でまわるかという予定をたてるのには苦労した。フェリーや飛行機は、各島から本土(鹿児島)や奄美大島との間を結ぶことを優先していて、その他の島間の移動についてはあまり考慮していない。
限られた時間の中で効率よくまわれるよう検討した結果、最初に訪れたのは沖永良部島であった。
なお、これらのダイヤは刻々と変わっているので、現在であれば訪れる順番も変わるかも知れない。

 

旅行初日の早朝、JASの飛行機に乗って羽田を出発し、2時間強のフライトで奄美大島空港着陸。ここからJASの関連会社であるJACの小さい飛行機に乗り継いで沖永良部島に向かう。



私が訪れた当時奄美の島々の間を飛んでいたドルニエ228型飛行機。定員19人。
現在はもう少し大きいSAAB340型(定員36人)という飛行機が飛んでいる。
 

この日は全国的にいい天気だったのだが、奄美を含む南西諸島だけは天気が悪く、飛行中も視界が悪い。ただ、途中あとで立ち寄る徳之島の島影は見ることができた。やがて沖永良部島の島影が見えてくる。

 

●沖永良部島(おきのえらぶじま)

奄美大島と沖縄本島のほぼ中間にある沖永良部島。やや東西方向に細長く、東側半分が和泊町、西側半分が知名町となっている。
この島には航空レーダーがあるらしく、本土から沖縄に向かう飛行機はみんなここをめざしてくる。沖縄に向かう飛行機の機内で「沖永良部島上空を○時ごろ通過します」というアナウンスを何回か聞いたことがある。


奄美大島から40分のフライトで、島の北東側にある沖永良部空港に着陸した。いかにも離島らしいローカルな空港である。
沖永良部島内にも路線バスは走っている。空港にも連絡バスは一応あるのだが、鹿児島から来る飛行機のみの連絡で、奄美大島から来る飛行機で来ると待っていない。まあ、奄美大島からは19人乗りの飛行機だから、採算が合わないのであろう。

タクシーに乗って今日の宿に向かう。今日の宿は、空港のある和泊町の中心地の近くにある民宿である。宿に着くと主人は留守で、3歳ぐらいのガキが1人でテレビ(「笑っていいとも」)を見ていた。この番組をやっている新宿・アルタなんてここから見れば果てしなく遠い場所なのだが、考えてみればこの日の早朝私は新宿を通っている。なんだか不思議な気分であった。



町から少し登ったところにある宿の屋上から撮った和泊の町
 

そのうちに宿の主人が帰ってきて、部屋に通される。その後、町の自転車屋さんで原付を借りて、島内を反時計回りに1周してみた。
この島は比較的荒々しい海岸線が多く、フーチャと呼ばれる海岸線の岩に穴が開いて海水が入りこんでいるようなところや、景色の良い岬がいくつもあり、それぞれに立ち寄る。



島の北西端にある田皆岬
NHKのドラマロケで使われた場所らしい。
 

また鍾乳洞も数多くあるらしく、その中で一番大きな昇竜洞という洞窟にも行った。オフシーズンということで入口付近では大々的に工事をしていたようだが、内部に入ると不思議と静なのであった。

この島で一番高い地点が標高246mの大山で、2番目が189mの越山。ただ大山の方は頂上付近が自衛隊の基地になっていて、その下の方にある展望台はあまり展望が良くない。むしろ越山の方が東側半分の展望がきいて景色がいいようである。

夕方、再び宿のある和泊に戻ってきて、まだ時間があるので町内を散歩した。この島は西郷隆盛が島流しで一時期滞在していた場所らしく、その謫居跡が町の海岸近くにあった。



その謫居跡の近くにあった西郷さんの像
 

翌日はお昼過ぎの船に乗るまで特に予定もなく、和泊の町中を歩いていると、たまたまバスターミナルを通りかかったときに「知名行きのバスが出まーす」と言っていたので、何の気なしにそのバスに乗った。島の両町の中心部を結ぶ路線バスは比較的本数も多く走っている。
といって知名町へ来てみたものの、昨日も来ているので特にやることもなく町内や港を歩き回っていた。
バスの車内には往復とも地元の難解な方言が飛び交っていた。

 

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