離島シリーズ
奄美諸島の島々
●与論島(よろんとう)
奄美諸島の中で一番南西端にある与論島。沖縄本島まであと数十km、というところにある。島全体が与論町という町である。
ほぼ真ん丸い島なのだが、西側だけコブのように岬が突きだしていて、そこに空港があり、その付け根付近に島の中心茶花集落と茶花港がある。
奄美諸島の中でもリゾート化が進んだ島で、特に夏場は多くのマリンレジャー客で賑わうようである。
沖永良部島から鹿児島発那覇行きのフェリーに乗って与論島に向かった。天気がイマイチで海がやや荒れていて、沖永良部を出航した時点で40分遅れていたが、茶花港に入港したのはさらに遅れて50分遅れで、すでに午後3時を過ぎていた。与論島での滞在は今回訪れる島の中で一番短いのだが、さらに短くなってしまった。
茶花港を遠くから見る。
集落から少し離れている様子がわかる。
港と集落は少し離れているのだが、数日前予約していた宿の人が迎えに来ていて、その車で今日の民宿に向かう。
宿の食堂でお茶などをごちそうになったあと、さっそく町の中を歩いてみた。思ったより大きな町で、しかもかなり観光地化されている。また意外と坂が多く、そんなところをウロウロ歩いていたら、バスの営業所を発見する。島内のバスは南回りと北回りの2系統があって、あわせて約1時間おきに走っている。島の大きさをつかむのに手頃だと思ったので、これに乗ってみた。
私が乗ったのは北回り(時計回り)のバス。茶花の集落を出ると一面サトウキビの畑となり、その中に家が点在するという、沖縄の離島のような景色になり、以降基本的にずっとこんな感じであった。また、意外と起伏に富んでいた。そのまま1周して茶花に戻ってきたが、1周約40分であった。
今日の宿は町のど真ん中にあり、さすがにオフシーズンなので観光客は少ないが、土木工事などで出稼ぎに来ている人たちがすごく多くて、宿のとなりが飲み屋だったせいで夜中までカラオケがうるさかった。
翌日は原付を借りて、再び島を1周してみた。今回はバス通りのさらに1本海寄りを通っているサイクリングロードを反時計回りに走る。
まずあるのが与論城跡。ここがこの島での最高地点であり、島のほぼ全体を見渡せるばかりか、沖縄本島も見ることができる。沖縄本土復帰前はこの間に「国境」があったわけである。
与論城跡から見た茶花集落の方向
ちなみに沖縄本島はここから左側に見える。
その後道沿いに赤崎鍾乳洞や与論民族村などに立ち寄った。これらの場所では見学しているよりもむしろ管理している地元の人たちと雑談をしている時間の方が長かった。「与論」というと「リゾート」というイメージがあるが、このような昔ながらの素朴な人たちや場所もどっこいいる(ある)わけで、この島ではそういうことが一番印象として残っている。