離島シリーズ
北海道・日本海側の島々

 

まず向かったのは北海道・留萌支庁の羽幌町沖にある、焼尻、天売の2島。両方とも羽幌町に属している
羽幌町には、かつて留萌〜幌延間を結んでいた国鉄羽幌線が通っていた。しかしこの路線は国鉄が民営化される2日前、廃線になってしまった。
よって現在はバスに乗って行くしかない。
現在、この地域には国鉄線廃止を受けた代行バスに相当する路線バスや、札幌方面からの直通バスなどがある。

羽幌からこの2島に行く船は、夏期でも1日3便しかなく、その最終便に乗ろうとしても、前日までに札幌・旭川あたりまで来ていないとならない。
よって私は、前日午前中に飛行機で旭川に飛び、レンタカーで市内をドライブした後、翌朝 函館本線 → 留萌本線 と乗り継いで留萌まで行き、留萌から幌延経由豊富行きの路線バスに乗った。考えてみれば留萌本線に乗るのはこのときが初めてであった。

留萌から乗ったバスは、日本海沿いを通る国道232号線をえんえん走る。留萌から約1時間20分、3つめの町が羽幌である。

 

●焼尻島(やぎしりとう)

羽幌町内で昼食をとった後、港のフェリーターミナルへ歩く。必要最小限の小さいターミナルである。



羽幌フェリーターミナル。
左側に焼尻島・天売島行き「フェリーおろろん」が停泊している。
 

この焼尻・天売航路に就いているのは、カーフェリーと高速船が1隻ずつ。今度の最終便(13時発で最終便)はカーフェリー。とは言ってもこれも必要最小限度に小さい船である。

先ほどバスで羽幌町に入った頃からすでに沖合には平べったい2つの島影が見えていて、フェリーは出航するとそのうちのひとつ、焼尻島に向かって進む。
約1時間弱で焼尻島に到着。このとき船から下りたのは6人。うち明らかに島民でない人物は私1人。港には前日電話で予約していた宿のおじいさんが、1人でぽつんとプラカードを持って立っていた。



焼尻島に入港するところ
 

焼尻島の周囲は約12km。港がある東側を底辺にした二等辺三角形のような形をしている。
宿の倉庫には貸自転車(タダ)が何台かあったので、それを借りて島を時計回りに1周してみた。

はじめのうちは道も平坦で、牧場があってヤケに人なつっこい馬を相手にしたりする。
このあたりまでは余裕であったが、島の西側半分はアップダウンがあって、自転車だとかなりしんどいのであった。たぶん1周道路の最高地点だろうと思われるところが「タカの巣」というところで、明日行く天売島が真っ正面に見える。



正面に見える天売島
 

そこからは下りで、こちらの方(島の北側)にはけっこう家があり、小・中・高校もこのへんにある。そしてさらに進むと、島1周なのであった。

宿に自転車を返すと港に行き、日没までぼーっと海を眺めていた。この何もしないでぼーっと景色を眺めることが、最大のストレス解消法だと思う。

翌日は島の中央をつっきってみた。ここにはサイクリングコースがある。
最初は山道であったが途中からは一面羊の牧場になり、その中のゆるーい上り坂で、走っていて非常に気分のよい所なのであった。その道の終点は、昨日あれほど苦労して登っていった「タカの巣」であった。



島のほぼ中央付近。羊の牧場の中のサイクリングコース
 

地震の影響からか、私が訪れた時は観光客も少なく、島はひっそりとしていた。といっても島には地震の直接的な影響はまったくなかったとのことである。

 

天売島へ   目次に戻る