B 9月26日(火) |
ニューヨーク・シェイタジアム |
昨夜からの雨は、今日になっても降り続いている。しかもかなりのザーザー降り。今日の昼間は、セントラルパークでのんびりとしようと思ってたのに、予定変更を余儀なくされた。日本ならば、お昼過ぎには早々と「雨天中止」を決めてしまうような天気である。
午後になっても雨足は弱まらない。夕方近く、マンハッタンにあるメッツのクラブハウスに行く。
グッズを買いながら、店員に「今日は中止ですか」と聞いてみる。「いや、予定通りだよ」との答え。え? だってこんな天気だよと思いつつ半信半疑で球場に向かう。
シェイスタジアムはクイーンズ地区にある。
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St.(Times Square)駅が始発駅の7番の地下鉄に乗って、Willets Point駅で降りる。Expressだと25分くらいかかる。ちなみに帰りは鈍行だったので35分くらいかかった。
地下鉄とは言っても4つ目の駅を出ると早くも地上に出て、落書きだらけのクイーンズの町並みを眺めていると、左側にシェイスタジアムが現れる。
駅の北側は球場施設以外何もない。駅はライト側の後方にあたり、駅前の通路に出ると、球場に外野スタンドというものがないのでスコアーボードの脇から球場内が丸見えである。
駅から出てきたところ。
文字が書かれているところはスコアボードの裏側です。
この先更に進むと球場内丸見え
外野を除く外観は日本の千葉マリンスタジアムに似てなくもない。ただ、たまたま帰国直後に千葉マリンスタジアムに行く機会があり、あらためて比較してみたけど、シェイスタジアムの方がかなり大きいようである。
シェイスタジアム前の駐車場にて。
この時点で小降りになっていましたが、
今まで本降りだった様子がわかりますよね。
で、現地に着いて驚いた。こんな天気なのにすでに開門しているのである。しかもゾクゾクとやってくるファンの群れ。あんたらホントに野球が好きだねという感じ。メジャーリーグの奥深さを思い知らされる。
そして6時過ぎに計ったように雨がやむ。どうなっているんだ、この国は。
この試合のチケットもメッツのHPから申し込んだのだが、メッツの場合チケットが球団から国際郵便で直接自宅に郵送されてきた。そのチケットで中に入る。
メッツ球団から直接自宅に送られてきたチケット。
これが入っていたメッツのロゴ入り封筒とチケットフォルダはきちんととってあります。
自分の席を探していたら、ヨボヨボのおじいさん係員が「May I help you?」と聞いてきた。こっちがhelpしてあげたいくらいだ。昨日のヤンキースタジアムでは、そろいのブレザーを着た係員が誇り高くテキパキ仕事してたから、それからするとのんびりしている。
ちなみに一般で買える席は中2階にあたるロッジレベルより上。フィールドレベルはすべて年間予約席で、その間は構造が完全に分かれているので、今日もグラウンドに近づけない。
スタンド内の様子。
グラウンドには試合直前までビニールシートがかぶせられてました。
ときどき内野スタンド、特に3塁側後方から「ゴーー」という音が聞こえてくる。そちらの方向にラガーディア空港があるのである。何かの本に、「爆音で試合が中断することもある」と書いてあったけど、私の席ではそこまではうるさくない。
試合直前までグラウンドにはビニールシートがかぶせられ、今日の練習は一切なし。
国歌斉唱。
スタンド内の反応から、けっこう有名な歌手のようでした。
有名そうな黒人女性歌手の熱唱による国歌斉唱の後、先発メンバーの発表。ブレーブスの選手1人1人にブーイングが浴びせられる。もちろんメッツの選手には大歓声。ここのファンはヤンキースタジアムよりも熱狂的である。これは意外だった。いちおうナ・リーグ東地区の首位攻防戦だから、熱も入るんだろうけどね。
試合の始まる直前。
メッツの選手がキャッチボールを始めてます。
試合開始。ブレーブスの選手がバッターボックスに入るといちいちブーイング。2ストライクになるとスタンディングオベーション。とにかく相手チームの攻撃時も決してメッツへの応援を怠らない。
私の席からの景色。
1階席はシーズンシートで、私の席は中2階。
4回くらいまでは投手戦であった。しかし、その後はブレーブスの一方的な試合展開。
メッツの先発投手はチームのエースピッチャー・ライターであったが、モーションが大きいのか、捕手のピアザが一生懸命送球してもどんどん盗塁を決められる。肝心なときにエラーが出る。昨日にひき続きものすごく寒くて、途中で帰る客が続出する。
この日はかなり混んでいました。
試合中、マイクを持ったスタッフがスタンドのファンにクイズに答えてもらって(その様子が電光掲示板に映し出される)、当たったらシャープのロゴ入りバック、はずれたらメッツの帽子プレゼント、なんてアトラクションや、7回裏のセブンスイニングストレッチの後にはグラウンドからバズーカ砲みたいなのでファンにグッズプレゼントなんていうこともやっていた。ちなみにバケツのようなカップ入りポップコーンはここでも健在であった。
そして8回途中から、最大級のブーイングに迎えられて、ブレーブスのリリーフエース・ロッカー登場。
とにかくこの選手のメッツファンからの嫌われ方は尋常じゃない。私の周辺なんか、3人に1人は中指を立てていた。そこまでするか。人種差別発言があったからかな。
1球目、高めにはずれたボール。大歓声。2球目、ストライク。大ブーイング。この繰り返し。この試合で一番盛り上がった場面じゃないかと思われる。
でもそこはリリーフエースでしっかり押さえられた。9回裏、最後のバッターがアウトになると、それまでの歓声がウソのように場内は静まり返り、みんなとっとと家路につくのであった。
試合終了。
この試合に勝ったことによってブレーブスが地区優勝を決めたということを後になって知った。それほど試合後のブレーブスの選手達は淡々としているようにそのときは感じた。地区優勝を決めても、まだ連戦は続くわけだし、シーズン終了直後から長いプレーオフが待っているので、そんなに喜んでいるヒマはないんだろうな。