6日目
ジャスパー

一時のち

 
 今日も5時30分起き。朝食は手を抜いてきた今回の旅行ですが、卵・ベーコンどっさりのアメリカンスタイルの「ぶれっくふぁーすと」も食べないと。ここ宿(マウント・ロブソン・イン)のレストランは朝6時から開いています。一番乗りのお客として、私はベーコンオムレツ、妻はワンエッグ・サニーサイドアップのメニューに満足し、またまた暗いうちに出発です。懸念はお天気。予報では、午前中は曇りで、午後には雨が降るといっていますし、日の出時の空は半分黒い雲に覆われています。行動目標は、「午前が勝負」。まずは、人気のないパトリシア&ピラミッドレイクに向かいます。案の定、エルク出没。いつもながら、貸し切りで、静まり返った自然の中の湖を味わいます。
朝のピラミッドレイク(黒雲が・・・)

 マリーンレイク
 続いては、マリーンレイクに向かうことに。多くの方やガイドブックが言っているのは、「マリーンレイクは午後がいい。」ですが、それは晴れてこその話。陽射しが少しでもあるうちに見ておきたいとの考えで、ハンドルを切ります。「エルクじゃない動物が見てみたい。」という妻のわがままとも思える感想に、前方の道路を早速コヨーテらしきものが横切りました。サービスしすぎ?
 最初のマリーンレイククルーズは10時からなので、途中のマリーンキャニオンに立ち寄ることにしました。ここの駐車場もまだ誰も来ていません。車から降りて、最初のビューポイントに行きます。橋の上からのキャニオンは結構下の方に見えます。結構な迫力。マップを見ると、ここから幾つかの橋に向けてトレイルがあります。キャニオンの駐車場に来るまでの道沿いの看板に「6th Bridge」というのがあったのを思い出し、「げっ、そんなに遠くまではいけないな。」ということで、途中の「4th Bridge」まで行くことにしました。確か往復で30分くらいだったと思います。途中の道からはキャニオンがちょこちょこ姿を変えて見ることが出来ます。だた、まわりに誰もいなかったので、「ここで熊が現れたらどうしよう。」と内心少々ビクビクものでした。この時はもう空が曇り空で、駐車場の車に戻るときに、とうとう雨が降り出してしまいました。来たかと思いつつ、「南の方は大丈夫かもしれない。」と励ましながら、マリーンレイクに向かいます。
   
     マリーンキャニオン           湖岸にたたずむビッグホーン

         横断中

 この道も野生動物が現れると聞いていたので、期待しながらのドライブ。しばらく行くと、雨もやみ、メディシンレイク付近で、ビッグホーンシープ発見。湖岸にノンビリ腰を降ろして、草かなんか食べています。いやいや実に呑気。ああ、朝早く来て正解だったなあと感じましたが、帰りの道でも同じところにいました。同じシープだったかは、わかりませんが。今回は横断です。
 マリーン湖到着は9時すぎ。雨もすっかり上がり、雲はあるものの、白い雲で雨の不安はもうなくなりました。気をよくして10時のチケットを買い、湖岸を散策。次第に人が集まってきます。10時出発のボートには結局20数名いたでしょうか。運転手のお姉さんとガイドのお兄さんとともに出航。マリーンレイクは南北22キロほどの湖ですが、14キロ付近の所まで行き、おなじみのスプリットアイランドに立ち寄って戻ってくるおよそ90分のツアーです。何でも14キロ地点から先は国立公園の規制のレベルが一段高くなり、ボートは入れないそうです。船中では、ガイドのお兄さんしゃべりまくり。でも外もきちんとチェックしていて、湖岸のムースや、水上のムース(ムースは泳ぎが上手)を発見して、みんなに知らせてくれます。いよいよスプリットアイランドに到着。ここでは15分くらいの時間です。説明によると、霧笛(ホーン?クラクション?)を1回鳴らしたら集合、2回鳴らしたら出発直前、3回鳴らしたらバイバイの合図だそうです。船を降りると左側の簡単なトレイルを歩き、よく見る写真のポイントに。逆光とはいえ、十分きれいです。人物写真を撮る際には注意を要しますが、もう満足満足。皆に負けないよう、写真のシャッターを押します。帰りのボートでは、ちょっとうとうとしてしまいました。

   
   別角度のスプリットアイランド              ボート

 マリーンレイクのレストランで簡単な昼食をとり、来た道を引き返します。食べ物の話をしますと、今回いくつかの所でスープを食べたのですが、いずれもおいしく、かつ野菜もたくさん入っていて、冷えた体や運転で疲れた体を回復させるのに最適の一品です。ここでのスープ(ビーフシチュー)も美味でした。戻り道では、マリーンキャニオンの駐車場を超えたところで、車何台か停まっています。何だろうと思ってみると、ついに熊発見!
 ブラックベアーが茂みにいます。シャッターチャンス! が、ここで大失敗。相手は熊なので、当然車の外には出ず、運転席からカメラを向けたのですが、サイドウィンドウを途中まで降ろした状態でシャッターを切ってしまったので、そこで光が反射してしまい、熊の姿が半分位しかうつっていません。ガッカリ。一応、その写真を載せておきます。

  
    熊(これはデジカメ作品)            想い出に残る失敗作

 トラム
 ジャスパーに戻ると、なんとマリーンレイクと同様、よい天気です。「予報はあくまでも予報」です。こうなると現金なもので、ジャスパーでも乗馬をしようということになり、ピラミッドレイクの乗馬屋さんに行きましたが、残念ながら予約で一杯で、そこまで虫がよい話にはなりませんでした。受付の人の話によると、午前中に大雨が降って、午前に予定していた人が午後にリスケジュールしたとのことです。妻は、10数年前に来たとき、ここで乗馬をした!という記憶が蘇ってきて、それだけでも満足だった?ようです。気を取り直して、ウィスラー山のトラムに乗ることにしました。トラムの入り口まで車を走らせ、切符を買い、列に並びます。トラムは10分おきに発車し、1回あたりかなりの人数がトラムの中に詰め込まれます。それでも毎日通勤電車で鍛えられている私たちにとっては、まだまだ余裕。終点で降りると、それこそジャスパーの街が一望できる絶景です。ピラミッドレイクと、パークロッジのあるエディスレイクの湖面の色が違うのもはっきりわかります。これだけでも十分元はとれると思いますが、せっかくなので、さらに上にある頂上を目指すことにしました。森林限界で、石ころだらけの道を上へ上へと進みます。事前にここは寒くなると聞いていて、トレーナーとジャンパーを用意してきたのですが、この日は陽射しが照りつけ、半袖シャツでも暑いくらい。山の天気は難しいですね。頂上付近は人も少なく、向こう側の景色も見え、なかなかいい感じ。何よりも歩いて(トラムの終点からですが)ここまで来たんだということ自体が充実感をプラスさせます。

   
  トラム終点からジャスパーの街          頂上付近から別方面を臨む

 ガソリン?
 トラムの次は温泉に。16号線を東に行ったところにあるミエッテホットスプリングスです。これでロッキー地区の温泉を制覇(?)したことになります。(詳しくは温泉ページへ。) 行く途中でもビッグホーンシープ発見。ノンビリくつろいだといいたいところですが、実は燃料計の針が空に近くなってきて、結構ひやひやもんでした。ジャスパーを出発するときに、「まあこのくらいなら十分だろう。」と判断してはいるのですが、安心のためには常に満タンにしておくのがやはりおすすめです。これにはカラクリがあって、ガソリンタンクの測定機器のある場所と車の傾きとの関係から、道が下りだと目盛りは空に近くなり、道が上りだと針はFullの方へ振れるのです。ジャスパーからミエッテは、途中のPocahontasまでは下り基調で、そこからミエッテまでは上り基調。ですから、心理状態は行きが「不安」から「大丈夫」、帰りも「不安」から「大丈夫」といったものでした。結局、ウォーニングランプが着くこともなく、往復できました。ジャスパーにはいってすぐのエッソで補給したことはいうまでもありません。
 長くなってますが、夕食のことも是非紹介したいと思います。各HPで絶賛されている、「Prime Rib Villege」です。ここは、ホントにうまい! アルバータで一番との評もうなづけます。ジャスパーのタウンセンターからは少し離れています(でも十分歩けます)が、是非ジャスパーに行く予定のある方は行って見てください。損はさせません。ついでにジョッキに入った生ビールも久しぶりでした。
 これで、実質的な最終日が終了です。天気予報が良い方にはずれたのは、ホントに天に感謝!でした。明日はいよいよカルガリーまでのロング・ドライブです。


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