サラリーマン物語: サラリーマン・ライダー(Falco: Rock Me Amadeus)

サラリーマン・ライダーの日々 

【第1回:はじめに】
 これから始まる物語の主人公は、一般的に、JR線の幹線のある駅と駅の間に家があるかまたは、枝線で列車の本数が少ないの駅の近くに住んでいます。場合によっては、主義・主張があって、公共交通機関の利用を嫌っての方々もいますが、多くの場合は通勤時間の短縮を目的として、自宅から最寄の駅までの交通手段を徒歩以外の手段で通う人々です。多くの人々は彼らのことを「サラリーマン・ライダー」と呼びます。サラリーマン・ライダーには大きく分けて二つの種類がいます。1つのタイプは、フルフェイスのヘルメットをかぶり、ヤマハやホンダの
スクーターに駅前の駐輪場のシールをペタペタと張っている方々です。またもう1つのタイプは、ほとんど使われることの無い21段変速機のついたマウンテンバイク(以下、MTB)に跨り、右の足首にはズボンの裾をマジックテープで縛っている姿をしています。両者ともに雨の日には、「バス時刻表」とテレビの天気予報に最新の注意を払う一日です。

 さて今回のこの物語は主に後者のMTBライダーについて取り上げてみます。彼らの実際の体験を元に、通勤という何気ない活動に潜む危機を掘り下げて考えそしてまた、彼の職業である「エンジニアリング」が如何に生活に密着した業種であるかについて、彼の知人の意見を交えながら展開して行きます。

 本文は、筆者である「彼」の実体験及び、彼の知人達より寄せられたE-メールをもとに作成されています。「変身」なんて、暗い芝居を見ていると、演技している俳優さんが命がけで演技する姿に自分が映し出されてしまうことがあります。グレゴール・ザムダのように、寝ている間に自分の姿が虫に変身してしまっているなんて、チョット想像もつきませんが、カラオケ・マイクを握る自分の手を見ている時に、「サラリーマンに変身してしまった!」なんて驚くことはみなさんもないでしょうか?

 

「キカイダー(次郎)」


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