2000年5月16日〜5月31日

5月31日(水)

 6時に会社を出る。おお、まだ明るいぞ、などと思いながら高田馬場で芳林堂書店に寄って有栖川有栖幽霊刑事』とブレッド・イーストン・エリスアメリカン・サイコ』(上)を購入。特急に乗って悠々と帰宅、のはずだったのだが、座席でトマス・ハリスハンニバル』を読んでいると不吉にも携帯が鳴る。厭な予感。
 案の定、会社に戻るはめに。特急は高田馬場から所沢までノンストップで運行しているので、途中下車もできず、いったん所沢まで戻ってから泣く泣く引き返す。

5月30日(火)

 不覚にもトマス・ハリスハンニバル』を持って出るのを忘れる。

 the brilliant greenHello Another Way」を購入。ラジオで死ぬほどかかっているのだが、やっぱり買ってしまった。サビでブリグリ節が炸裂する強力な一曲。

5月29日(月)

 気がつけば9年。と、これはごく私的な話。

 トマス・ハリスハンニバル』は上巻の1/3くらい。まだ序盤。シリーズものをまとめて読む幸福を味わっています。

 ブレット・イーストン・エリスアメリカン・サイコ』は発売直後にハードカバーで購入したものの、結局読まずに売ってしまった(書店でアルバイトをしていたころなので、7〜8年前?)のだが、突然読みたくなる。確か文庫になっていたはず。購入して再チャレンジの予定。でも、書店に行くと忘れちゃうんだよな。

 例えば、3Dポリゴンのゲームにおけるフレームレートの違いのような、同じ時間内の描写の密度の違いを小説の表現として成立させることは可能だろうか?
 描写の密度を増すことは、まあ、簡単といえば簡単で、極論すればその分言葉を費やせばよい、ということになる。しかし、そうなると、当然読むのに時間がかかってしまうわけで、厳密な意味では密度が増しているとはいえない。それは、いわばスローモーションのようなものだ。一定の時間の流れを持たない、というのは小説というジャンルの強みではあるものの、それはちょっと違う。
バーチャファイター』と『バーチャファイター2』の違い、といってわかりづらければ、テレビアニメとディズニー映画の違いを思い浮かべてもらえればいいだろう。あの、ぬめっとした濃密としかいいようのない動き。おそらく同じ一秒間でも、情報量にして2〜3倍の違いがある。
 それを散文で表現すること。
 まあ、とっくに誰かがやっていそうなことではあるんで、もし実例に心当たりのある方がいたらご一報ください。

5月28日(日)

 トマス・ハリス羊たちの沈黙』読了。
 次はいよいよ『ハンニバル』。

 そのうちに書く、といっていた今月読んだ講談社ノベルスの感想は、結局、書くのをあきらめる。何とか書こうとしてみたんだけど、どうしても論点を絞れない。それでも話題を捏造して書く、という芸当もできず。いやはや。古処誠二UNKNOWN』、森博嗣夢・出逢い・魔性』、浦賀和宏記号を喰う魔女』、氷川透真っ暗な夜明け』の4点。評価はどれも★★★だが、一番おもしろかったのは『UNKNOWN』。まあ、そういうことで、ひとつ。

 先日、ラジオでクラムボン原田郁子をヴォーカルに起用したテイトウワの「火星」という曲を聴いた。すごくいい。はっきり言って、クラムボンの曲より原田郁子の声が映える曲だと思う。とりあえず、買い。6/21発売。

 最近、なんだかだらけ気味。まあ、それもよし。いや、よくないか。

5月27日(土)

 昼頃帰宅。

 その後、新宿でサム・メンデス監督『アメリカン・ビューティ』を見る。この映画に関しては、佐藤亜紀の「壊れた世界の幸福な死――アメリカン・ビューティ」が的確な評だと思うので、そちらを参照のこと。
 個人的には非常に楽しめた。

 MicrosoftIntelliMouse explorer」、PS2専用縦置きスタンド、セガレンタヒーローNo.1』を購入。

IntelliMouse explorer」は非常に使いやすい。やっぱり光学式センサーのマウスはいいね。親指の位置にあるブラウザの「進む」「戻る」に対応したボタンも便利。Appleにも見習って欲しいものだ。

レンタヒーローNo.1』。システム的な不親切さが気になる。画面の切り替わる移動の後、間違って振り向くと、すぐに前の画面に戻ってしまうとか。ドアのない入り口でも、ボタンを押さないと建物に入れないとか。人に話しかけようとしても、微妙に角度がずれていると、話しかけられないとか。
 デモ画面がないのも納得いかない。台詞に音声も欲しかったな。

 トマス・ハリス羊たちの沈黙』は2/3くらい。翻訳者の違いもあるのかもしれないけど、前作とはうって変わった手慣れた印象の語り口。明日には読み終えられるかな?

5月26日(金)

 仕事で泊まり。とはいえ、3時頃には寝る。

5月25日(木)

 本日の購入本。金城一紀GO』、櫻沢順アウグスティヌスの聖杯』。2冊とも予備知識なしで、装丁に惹かれて店頭で手に取り、冒頭の文章をざっと読んで購入。アタリかハズレかは読んでみてのお楽しみ。ちなみに前者は小説現代新人賞の受賞者で、初の書き下ろし長編(らしい)。ジャンルは、たぶん恋愛小説。後者は角川ホラー小説大賞短編賞佳作の受賞者で、これがデビュー作(らしい)。ジャンルは、たぶん、というか、間違いなくホラー。

 トマス・ハリスレッド・ドラゴン』読了。後半の展開は結構好み。例えばクーンツあたりのバリバリのエンターテイナーと比べちゃうとどうしてもサスペンスや登場人物の造形のわかりやすさに欠けるきらいはあるけど、妙にツボをはずした語り口には惹かれるものがある(←褒めてます。念のため)。
 続いて『羊たちの沈黙』を読み始める。

Netscape6」の「Preview Release1」日本語版が登場したので、さっそくダウンロード。こちらから。まだ公式の公開ではないようですが。
 駄目っぷりは変わらずだけど、とりあえずメニューが日本語になっているので、まあ、良し。
 ……そういや、先日の日記β版などと書きましたが、α版の間違いです。ていうか、今まで正確な意味を知らずに使っていました。申し訳ない。

5月24日(水)

 小説を読んでいる途中で感想めいたことを書くと、たいてい後でみっともないことになるんで読了するまで言及は避けることを決意。でも、書いちゃうんだろうな。

 トマス・ハリスレッド・ドラゴン』下巻は半分くらい。何とか今週中には読み終えたい。まあ、別に急ぐ理由もないんだけど。

 セガ信者専用ソフト『レンタヒーローNo.1』は明日発売。もちろん、買う
 そういや、入交社長、業績不振の責任をとって辞任するとか。後任は大川〈ISAO〉会長が社長を兼任ですか。そうですか。まあ、基本的には今までと変わらない、ってことだよね?

 いくらハードが違うとはいえ、FF9DQ7の間に『GRANDIA2』を発売するゲームアーツの真意は何処に? え〜と、まあ、たぶん全部買うんで、どうでもいいっていえば、どうでもいいんですが(全部、クリアするまでプレイするかは謎)。

5月23日(火)

 会社に泊まって仕事。本も読めず。

5月22日(月)

 トマス・ハリスレッド・ドラゴン』下巻。やっぱり語られてしまった犯人の不遇な過去。ちょっと気分が萎える。まあ、1981年に書かれた小説だし、仕方ないのかな(←関係ないですね)。

5月21日(日)

 今さらながら殊能将之美濃牛』の感想をアップ。しかし、これだけ間をあけておきながら、この内容じゃなぁ……。

 日中はだらだらと寝て過ごす。怠惰な一日。

 デジカメで撮った画像を加工してアップしてみる。こちら
 飼い犬の写真なので、犬好きの方のみどうぞ。

5月20日(土)

 トマス・ハリスレッド・ドラゴン』は上巻を読み終え下巻へ。

 BOOKOFF津原やすみアイドル誘拐プラン』(上・下)を購入。他の本は新刊書店では現役なのだろうか? チェックしてみなくては。
 T-ZONEで「ACTION Utilities」を購入。

Suitcase8.2」のアップデータをダウンロード。正式なMac OS9の対応版。でも、実はあんまり使ってない。

5月19日(金)

 トマス・ハリスレッド・ドラゴン』を読む。まだ上巻の半分くらい。
 初めて読んだ気がしないのは、例えばレクターのキャラクターなどを引用/踏襲/発展/剽窃/パロディ化/などなど……した作品を数多く目にしているからなんだろうな。訳文はちょっと読みづらい、というか、意味のとりづらい部分があるんだけど、おもしろい。別にサスペンスあふれる展開ってわけじゃなく、むしろ淡々としてるのにね。
 高校生の頃(今から10年以上前の話……)、TRPG(ご多分に漏れず『ロードス島戦記』がスタート地点)にはまっていた流れで早川文庫のファンタジー小説をいくつか読んでいて、この小説もタイトルに惹かれて手に取った覚えがあるんだけど、あらすじを見たら全然ファンタジーじゃないんで(当たり前)、そのまま棚に戻してしまったのだ。
 なんでその時に読まなかったのかが悔やまれるなぁ。

 あ、そういや、『RuneQuest』ってルールブックを買ったのに、結局一度もプレイしなかった気がする。

 昔話ついでに、もうひとつ。ロバート・マキャモンの『スティンガー』を元ネタにしてTRPGのシナリオを作ったことがあるのは秘密だ。あと、ディーン・R・クーンツの『ファントム』も使ったことがあるが、これも秘密だ。

スティンガー』といえば。
 ドリームキャストのアクション・アドベンチャー・ゲーム『ブルースティンガー』って、タイトルもそうだけど、中身も『スティンガー』そのまんま、というのは誰でも気づくことだから言ってもいいだろう。

 荒木飛呂彦バオー来訪者』がスティーヴン・キングファイア・スターター』に似ているというのも、誰でも気づくことだから言ってもいいだろう。

 浦沢直樹MONSTER』でテンマヨハンを狙撃しようとするシーンは……。
 いや、もうやめときます。

 皆川亮二ARMS』12巻を購入。

5月18日(木)

 氷川透真っ暗な夜明け』読了。
 三人称多視点で本格ってのはやっぱり無理があるような。
 特に、ダブル・ミーニングを意図した中途半端な心理描写はいただけない。ていうか、はっきりいって大嫌いなんですよ。そういうの。

 てなわけで、唐突ですが、個人的に嫌いな本格ミステリにありがちな文章ワースト3(あ、ちなみに、『真っ暗な夜明け』にすべてが該当するというわけではありません。念のため)。

 ●第3位 それが生きている○○(人名)を見た最後の機会だった。
 こういう紋切り型を、あえて時系列を無視してまで挿入する意義を感じません。
 ●第2位 漠然とした違和感を覚えたが、それが何なのかはわからなかった。
 だったら書くなよ、って感じですか? どうでもいい隠す必要のないことを隠す時に多用されがちな気がします。韜晦されてもうざったいだけです。
 ●第1位 (犯人の視点で)「まさか、そんなはずは……」
 これはちょっとわかりづらいので説明を。つまり、殺人犯が自分のあずかり知らぬ事態を前にして驚いている様子を描写することによって、事件そのものに驚いている、ひいては、犯人ではないという印象を読者に与えようという安直なミスリードの手法のことです。それを逆手にとって、やっぱり犯人ではない、というのもダメです。というか、どうにでも意味をとれる文章を書くのはやめてほしいです。いいかげん指示代名詞で読者をひっかけようとするのはやめてください。たとえそれが小技だとしても。

 話がずれました。
 氷川透真っ暗な夜明け』は普通におもしろく読めました。
 詳細な感想はまた後日。たぶん。

 いよいよトマス・ハリスの『レッド・ドラゴン』〜『羊たちの沈黙』〜『ハンニバル』の3段コンボに突入予定。

5月17日(水)

 むやみと眠くて沈没。

5月16日(火)

 氷川透真っ暗な夜明け』はようやく半分くらい。
 文章はそれなりに手慣れた感じ。視点の切り替えがあまりにも頻繁で鬱陶しい。これで松原が犯人だったらあまりにもそのままで激怒するが、さてさて、どうなることか。

 もっと簡単に言うと、文学はパンク、小説はイージーリスニング、ですか(←嘘)
 これって、「嘘」とか何とか言う前に喩えとしておかしいような。
 例えば、小説だけが文学とは限らない、という文章を上記の喩え通りに置き換えてみてもまったく意味をなさないし。漠然と言いたいことはわかるんですけど。

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