2000年11月16日〜11月30日

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11月29日(水)

 スティーヴン・キングザ・スタンド』上巻を読了。早く下巻を読ませろ〜。

11月28日(火)

 そういえば、うっかり日記に書き忘れていたのだが、先日、久しぶりにゲームを買ったのだった。しかも2本。

 SEGA(/ Hitmaker)『PowerSmash』(DC)。アーケードで人気(らしい)のテニスゲームの移植。操作は簡単だけど、読みと駆け引きが勝敗の要という理想的な対戦ゲーム。1人で遊んでもおもしろいし、2人でダブルスを組んでコンピュータと対戦するのもおもしろい。しかし、やっぱりプレイヤー同士の一騎打ちが一番燃える。例によって1人で遊べるモードも充実しているので、1回だけのつもりではじめて気がつくと数時間プレイしてしまうということになる。リプレイのカメラワーク、キャラクタのちょっとしたモーションなど、実に気の利いた作り。

 ASCII(/LOVEDELIC)『L・O・L』(DC)。PS版の『MOON』や『UFO』を製作したLOVEDELICの新作。ジャンルは、一応RPG。例によって一筋縄ではいかない設定……なのだが、これって今は亡きNEC HEの『SEVENTH CROSS』? 進化する生物、進化することによって広がる世界、というコンセプトが良く似ている。あと、序盤のわけのわからなさも。でも、やっぱり作り手のセンスというか、力量の差というか、こちらはちゃんと遊べるゲームになっている。感触を見るためにはじめてみたんだけど、何となくやめるきっかけがつかめなくて3時間ほどプレイ。
 ちなみに音楽は坂本龍一

11月27日(月)

 スティーヴン・キングザ・スタンド』上巻はあとちょっと。しかし、いきなり話が飛んで驚いた。まあ、途中はそんなに重要ではないということなんだろうけど。
 この作品に対して不満を抱くとすれば、「長すぎる」ということよりむしろ、「もっと書き込めるはず」という点だろうな、きっと。

 あるところ(もちろん、このサイト内)にアップしてあるイラストを2点追加しました。昔のものですが、まあ、穴埋めということで。

11月26日(日)

 CanonのCISを採用したフラットヘッドスキャナ、Canoscan N1220Uを購入。線画の取り込みをするために購入したんだけど、同梱されていたOCRソフトを試してみたら、これが意外と使える。その成果が以下の文章。以前に予告しながらそのままになっていた「ミステリから遠く離れて」と題した麻耶雄嵩論の冒頭部。今から2年ほど前に同人誌に書いたものなのだが、データを紛失してしまったため、打ち直すのが面倒で今まで放置していたのだ(いや、改めてリライトするつもりだったんだけど……)。
 とりあえず、無事、テキストデータとなったので、ここに冒頭部のみアップすることにした。
 読んでいただければおわかりになると思うが、これは、蓮實重彦小説から遠く離れて』の論旨そのままともいえる文章である。パクリ、というのは、まあ、私自身が重々承知していることだが、そのような方法論がそのまま適用できてしまうこと自体に、『夏と冬の奏鳴曲』の特異性があるのではないか、というのが、このような文章を書いた意図の一部である、と一応、あらかじめ言い訳しておく。
 当然のことながら、『夏と冬の奏鳴曲』のネタバレを含んでいるので、未読のかたはまずは本編を読まれることをお薦めします。


ミステリから遠く離れて

 とりあえず『夏と冬の奏鳴曲』は「宝探し」の物語であるとそう断言してみよう。改めて言うまでもなく「宝探し」というのは、どこかに何やら貴重なものが、人目を避けるかたちで隠蔽されており、主人公が、難儀しながらも、その隠された対象を探しあてるという構造の物語である。その隠された「宝」を首尾よく発見しうるのか、それともその試みは不首尾に終わるのか、物語の興味はその一点に絞られる。
 主人公である如月烏有は、もちろん「宝探し」に興味を持っていた冒険家ではなく、それまで探偵めいたそぶりなど見せたことすらないにもかかわらず、周囲の状況から余儀なく出発せざるをえなくなる。彼が探索の旅に出るのは、他者から説得され、その意志を代弁してのことにすぎない。取材という名目で半ぱ強制的に烏有を和音島へと送り込んだのは、烏有の上司である「敏腕」編集長である。物語のエピローグにおいてあからさまに示唆されているように、彼女こそがすぺての黒幕であったとすれば、烏有の「宝探し」は彼女の意志の代行にほかならないだろう。物語の機能に従って分類するなら、二人のあいだには操作する者と操作される者という関係が成立する。隠された「宝」の発見に固執しているのはあくまで操作する者としての依頼者であり、代行者たる烏有は、どこまでも消極的に振る舞い続けるほかはない。
 では、その「宝」とは何か。ひとまずそれは「和音の正体」とでも言っておこう。ここでいう「宝」とは、文字どおりの金品ではなく、あくまで説話論的な機能における意味での「宝」である。ひとまず、と留保をつけたのは、依頼者である「編集長」の目的が正確には「宝」の発見そのものではなく、烏有の「宝探し」の課程そのものだと思われるからである。ここで「宝探し」の主題を補強するものとして、「権力の委譲」上いうモチーフが視界に浮上する。「委譲」というよりは「継承」、あるいは「復活」とでも表現したほうが正確かもしれないが、空位となっている統治者の席を埋めるための策略、儀式、あるいはその不可能性が、「宝探し」としての物語を支えている。『夏と冬の奏鳴曲』においては、二十年前に死んだはずの「和音」から、新たに桐璃という形相としての位相を得た「和音」への展開が、それに該当するだろう。


 というわけで、続きはまた後日(←本当か?)。

 部屋の中にスズメバチが侵入。どうやらベランダに干していた洗濯物にまぎれていたらしい。窓を開けて外に逃がそうにも、天井にはりついたまま動こうとしない。刺激して反撃されるのも怖いので、そっと抜け出して殺虫剤を買いに行く。インターネットで調べたところによるとスズメバチ用の殺虫剤というのもあるらしいのだが、当然、近所のドラッグストアに置いてあるはずもなく、効果のほどは疑問ながら、普通の蚊・蠅用の殺虫剤を買って帰る。口元にタオルを巻きつけ(殺虫剤を吸い込まないようにするためと、万一スズメバチに反撃された時に刺される可能性のある肌をできるだけ露出させないようにするため)、恐る恐る殺虫剤を吹きかけた。
 ぶん、という羽音とともに天井から離れることを予想して警戒していたのだが、意外にもスズメバチは天井にはりついたままじたばたと身じろぎするだけで、しばらくすると、あっけなく床に落ちてきた。念のため、もうしばらく殺虫剤を吹きかけてから、動かないのを確認して、ティッシュでくるんでトイレに流した。合掌。

11月25日(土)

 仕事とスティーヴン・キングザ・スタンド』を読むのに時間をとられてなかなか更新ができない。『ザ・スタンド』はようやく第一部が終わって第二部に入ったところ。このペースだと当初の予想に反して下巻が発売されるまで持ちそうにない。どうせだから、今のうちに未読の作品を読んでおこうかな。

 ご覧のとおり、トップページを変更。最新の日記もトップページに置くことにした。過去の日記の体裁も、12月分から変更する予定。
 本の感想も復活させたいと思っているんだけど……。

11月20日(月)

 仕事の愚痴を書いたけど、ふと我に返り削除

 久々のキングはやっぱりおもしろい。でも重い(本が)。

11月19日(日)

 スティーヴン・キングザ・スタンド』上巻を購入。
 以前に今世紀中の発売はなさそう、などと書きましたが、なんと出てしまいました。
 下巻の発売は来月なので、ひと月かけてじっくりと読みます。

11月18日(土)

 若竹七海クール・キャンデー』読了。★★★★
 祥伝社400円文庫の1冊。本編とはあまり関係がないんだけど、この作品の帯の惹句を見ると、意外とこの文庫シリーズに期待してもいいんじゃないかという気がする。編集者がちゃんとわかってるな、という意味で。
 で、肝心の本編ですが、短いながらも切れ味の良い秀作。

 the brilliant greenangel song」を購入。

11月17日(金)

 松浦理英子裏ヴァージョン』読了。★★★★
「スティーヴン・キングまがいのホラー」、「アメリカのレズビアンSMを描いた物」、「ホモセクシュアル・ファンタジーを愛する日本の女の話」などの短編小説によって構成される長編(?)小説。いい意味で肩の力が抜けたユーモアに満ちた語り口で、非常に楽しめた。

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