読んだ本のベスト10

 このホームページでは読書の感想をメインにしているんですが,気が付いたら今までに読んだ本が1000冊を越えていました。それを記念して,今まで読んだ本のベスト10を選んで見ることにしました。これは全くの主観ですし,読む本にも偏りがありますから,あくまでも私にとってのベスト10です。このページは次に2000冊に達した時点で見直しする予定です。(20003.08.11) 


1.「蒼穹の昴」 浅田 次郎
 清朝末期の中国を舞台に,夢に生きる文秀と春児と言う二人の男の物語。夢を追うことの美しさとはかなさ。この作品が書きたくて作家になった,と言う作者の言葉にうなづいてしまいます。

2.「火車」 宮部 みゆき
 何がいいかって,最後の場面の印象度では一番ですね。カード破産に追い込まれて行方をくらました女性を探す話ですが,徐々に判って来る彼女の真実が悲しいですね。

3.「奪取」 真保 裕一
 偽札造りに賭ける主人公たちに思わず声援を送りたくなってしまいます。緩急がつけられた展開は,緊張感と爽快感にあふれています。真保さんには珍しい軽めの語り口もいい。

4.「白夜行」 東野 圭吾
 幼児虐待を受けた男女のその後の人生を,彼らを取り巻く人達の視点で描いているのが新鮮。東野さんは色々なタイプの作品を書きますが,この作品が一番印象的でした。

5.「天国への階段」 白川 道
 実業家として成功を収めたのは,復讐を果たす為だった。そしてその復讐は目の前にあったのだが。陰影の濃さを感じさせるストーリーですが,ハッピーエンドが好きな人には勧められません。

6.「燃える地の果てに」 逢坂 剛
 スペインの田舎町を舞台に,アメリカ軍の核ミサイル紛失事件を中心に話は進みます。そこに日本人ギタリストが絡むのですが,とにかく熱い話です。最後の驚きもバツグン。
 

7.「十角館の殺人」 綾辻 行人
 無人島に建てられた館で起こる連続殺人事件。一人一人居なくなって,そして最後に残るのは。6日目の最後の1行を読むと全てが判るんですが,その時の驚きの度合いは比類無いですね。

8.「弥勒」 篠田 節子
 観光くらいしか産業の無い小国パスキムで起こったクーデター。理想の国造りを目指した指導者だったが,想像を絶する世界だった。とにかく重い作品で,今の日本に生まれた事を感謝。

9.「幻の女」 香納 諒一
 5年前に自分の元を去っていった彼女が殺された。そして彼女は別人に成りすましていた事を知った。彼女の真実を探る話なんですが,真実が徐々に判っていく展開と結末が見事。

10.「永遠の仔」 天童 荒太
 1000冊の中で一番重い印象を持った作品。幼児虐待を受けた3人の男女の,子供時代と成長して再会した彼らの話が交互に描かれていきます。とにかくやりきれない気持ちになります。


 ちなみにベスト20までに広げると,こんな感じでしょうか。

11.「りんぐ」 鈴木 光司
12.「天国までの百マイル」 浅田 次郎
13.「ホワイトアウト」 真保 裕一
14.「神々の山嶺」 夢枕 獏
15.「クラインの壷」 岡嶋 二人
16.「青の炎」 貴志 佑介
17.「ミッドナイト イーグル」 高嶋 哲夫
18.「秘密」 東野 圭吾
19.「虹の谷の五月」 船戸 与一
20.「どちらかが彼女を殺した」 東野 圭吾


 さらにベスト30までに広げると,こんな感じでしょうか。

21.「日輪の遺産」 浅田 次郎
22.「炎の影」 香納 諒一
23.「海は涸いていた」 白川 道
24.「カディスの赤い星」 逢坂 剛
25.「壬生義士伝」 浅田 次郎
26.「黒い家」 貴志 佑介
27.「そして扉が閉ざされた」 岡嶋 二人
28.「鉄道屋(ぽっぽや)」 浅田 次郎
29.「さらば長き眠り」 原 りょう
30.「蒲生邸事件」 宮部 みゆき